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 インターネットへの部落差別の書き込みを香川県内の自治体がモニタリング(監視)している。掲示板の管理運営者への削除依頼はこれまでの15年間で約1460件にのぼるが、実際に削除されたのは半数程度にとどまる。ネットの悪用による差別の深刻化を背景に、部落差別解消推進法が施行されて1年あまり。被害の実態把握や対策が課題になっている。

 監視は、県と全17市町、民間団体でつくる県人権啓発推進会議が2003年6月に始めた。県人権・同和政策課と市町の人権担当課職員が監視班を構成。SNSも含めると対象が膨大になるため、三つの掲示板に絞って監視している。

 県内の同和地区への言及があるスレッドを少なくとも週2回はチェック。個人のプライバシーを侵害▽他人を誹謗(ひぼう)中傷▽差別を助長する、といったおそれがある書き込みを見つけると、班内で協議し、掲示板の削除依頼方法に従って要請する。具体的には、県内の同和地区名をあげたり、県内の同和地区について語るなかで差別的な言葉や個人名を書いたりしているものが対象になるという。

 削除依頼は06年度の342件をピークに減少傾向にあり、県の担当者は「監視による抑止効果が一定は出ている」とみている。だが、「書き込みが止まったと思ったら別のスレッドができることもあり、いたちごっこのような感じはある」。

 また、これまでの削除依頼計1462件のうち、実際に削除されたのは約47%の692件。独自のガイドラインに基づいて削除が進む掲示板もあれば、ほとんど削除実績のない掲示板もあるという。県は「自治体単位での監視には限界がある。削除基準を国レベルで検討してもらい、全国の自治体で一律に取り組めばより大きな効果が期待できる」と話す。

 こうしたモニタリング事業は奈良県内全市町村でつくる「啓発連協」、三重県、兵庫県尼崎市、伊丹市、広島県福山市などでも実施されている。いずれも各自治体に関する記述を中心にキーワード検索などで監視。法務局と相談しながら削除依頼をするところもある。

 部落差別解消推進法は、ネットへの同和地区名リスト掲示などを背景に16年12月に成立し、施行された。「部落差別」の言葉を冠した初の法律で、「現在もなお部落差別が存在する」「情報化の進展に伴って部落差別に関する状況の変化が生じている」とし、国や自治体の責務として相談態勢の充実や教育・啓発、実態調査の実施を明記した。

 法施行を受け、兵庫、鳥取県も新たに18年度からモニタリングを始める。兵庫では、検索の方法や削除依頼の判断のポイントを習得してもらうため、県内市町職員を対象にした研修にも取り組むという。(多知川節子)

■「削除基準策…

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