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 内縁関係にあった女性の長女(当時1歳11カ月)に暴行を加え死なせたとして傷害致死の罪に問われた大阪府羽曳野市の男性(36)の裁判員裁判の判決が14日、大阪地裁であった。増田啓祐裁判長は偶発的な事故の可能性も排除できないとして、無罪(求刑懲役7年)を言い渡した。

 男性は2008年12月、当時住んでいた大阪市浪速区の自宅で内縁関係にあった女性の長女の頭部に暴行を加え、急性硬膜下血腫などの傷害を負わせ死亡させたとして、16年3月に逮捕・起訴された。「暴行していない」と否認していた。

 検察側は、急性硬膜下血腫は相当強い力を加えられなければ生じず、男性が激しく揺さぶるなど暴行を加えた結果だと主張したが、判決は医師の証言などから、転倒などで偶発的に起きた可能性も排除できないと認定した。

 揺さぶりによる頭部外傷をめぐっては硬膜下血腫、網膜出血、脳浮腫などの症状があれば「虐待の可能性が高い」とする考え方が医師の間で広まってきた。男性の弁護人は「3症状があれば虐待とする裁判の現状に警鐘を鳴らす判断だ」と評価する。

 千葉大学大学院の岩瀬博太郎教授(法医学)は判決を「頭部外傷について専門家の意見が割れる中、鑑定を検察官が選んだ個々人に委ねることが非常に危険であると示した」と評価した。