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森友学園の国有地取引をめぐる財務省による決裁文書の改ざん問題。参院予算委員会で19日、安倍晋三首相や麻生太郎財務相らが出席し、集中審議が開かれました。野党の追及に対し、両氏はどう答弁したのか。改ざん当時の理財局長だった佐川宣寿・前国税庁長官の証人喚問の実現は。論戦をタイムラインで追いました。

改ざん問題、政府説明にほころび 首相答弁にも疑いの目

決裁文書の改ざん問題で、政府の説明に次々とほころびが出ている。安倍晋三首相の答弁にも疑いのまなざしが向けられる事態になっている。

官僚の忖度、背景に内閣人事局 異を唱えれば「クビ…」

「私個人には理解できない」。当事者の理財局長すらこう答弁した、決裁文書の改ざんはなぜ行われたのか。その背景にあるのはいったい…。

佐川氏喚問の決定持ち越し

 財務省の決裁文書改ざん問題で焦点となっている佐川宣寿・前国税庁長官の証人喚問は19日の参院予算委員会では決まらず、20日以降に持ち越された。与党側は党内調整が間に合わなかったことを理由としたが、野党は抗議し、20日に決定するよう求めた。

太田理財局長「誰にも信じていただけない…」 集中審議終了(16:55)

 誰にも信じていただけない――。財務省の太田充・理財局長は、今回の決裁文書改ざん疑惑をめぐり、無所属クラブの薬師寺道代氏から、財務省に改ざんや文書の抜き取りの体質があるのではないかと指摘されると、力なくそう答えた。

 薬師寺氏は、今回問題となっている14件の改ざんとは別に、2年前に文書の抜き取りがあったことを取り上げ、「あしき習慣があったのではないかと思われても仕方ない。都合が悪くなると、改ざんしたり抜き取ったりすることがあったのではないか」と尋ねた。

 これに対して太田氏は「『そんなことはない』と言いたいが、今の状況では誰にも信じていただけない」と述べた。

 午後5時17分、約7時間にわたる質疑が終わった。

立憲・福山氏「官房長官、改ざん前の文書をご存じでしたよね」 菅氏「知りませんでした」(16:40)

 立憲民主党の福山哲郎氏は、菅義偉官房長官が改ざん前の文書の存在を、昨年2月の段階から把握していたのではないか、とする疑問を投げかけた。

 財務省は決裁文書の改ざんが行われたのは昨年2月下旬から4月だと説明している。福山氏は、このことを指摘した上で、菅氏が昨年2月24日の記者会見で、「決裁文書は30年間保存しているので、そこにはほとんどの部分が書かれているのではないか」と発言したことを紹介した。

 福山氏はまた、菅氏が同じ会見で「私も説明を受けましたけど」とも述べていたとし、「ちゃんと秘書官から説明を受けている。(会見当時は)改ざんしていませんから。官房長官、改ざん前の文書をご存じでしたよね」と尋ねた。

 答弁に立った菅氏は「知りませんでした」とだけ述べた。

首相、近畿財務局職員の自殺「大変残念だ」(16:00)

 森友学園との国有地売買をめぐる交渉・契約を担当した、財務省近畿財務局の部署に所属していた男性職員が自殺したとみられる件について、社民党の福島瑞穂氏が取り上げた。

 福島氏は「報道によれば、職員が書き残したメモに『上からの指示で書き換えさせられた』という言葉があったという」と紹介。その上で、「首相として責任をとるべきだ。官僚に刑法犯を犯させてまで、守ってもらったのだろう。政治的、道義的責任を感じるか」と質問した。

 安倍晋三首相は「近畿財務局の職員が自らの命を絶ったことは大変残念で、ご冥福をお祈りしたい」と述べた上で、「今のご発言は、すべて決めつけだろうと思う。決めつけるのであれば、その理由を示していただきたい。私も妻も一切関与はしていない」と述べた。

証人喚問、ウソつけば偽証罪も

 野党側が求めているのが、決裁文書の改ざん当時に財務省理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問。19日の集中審議でも、野党側は繰り返し佐川氏を国会に呼んで証人喚問するよう求める見通しだ。

 証人喚問は議院証言法に基づく制度で、国会から要求があった場合は、特別な理由がない限り出頭して、証言する必要がある。もしもウソを証言した場合は、偽証罪にも問われるのが、類似の参考人招致との大きな違いだ。

 証人喚問を実施するには、委員会での過半数の議決が必要だ。議決された場合、原則として証人喚問を行う日より5日前までに、証人に通知する必要があると定められている。仮に19日に議決、通知をしたとしても、週内の実施は厳しい情勢だ。

維新・清水氏、佐川氏答弁は「事実と違うことでは」(15:20)

 日本維新の会の清水貴之氏は、文書の改ざんをめぐる「動機」について質問した。財務省は、佐川宣寿・前財務省理財局長の答弁の誤解を避けるために、文書の改ざんが行われた可能性があると説明している。

 清水氏はこの点について、「(佐川氏は国会答弁で)『価格交渉はしていない』『政治家の関与はない』という発言していた」と指摘。改ざん前の文書には価格交渉や政治家の関与を示す記述があったことを踏まえ、「決して誤解ではなく、事実と違うことを発言しているのではないか」と質問した。

 これに対して太田理財局長は「(国会審議を伝える報道がもとになって、国会で)次の議論が起こることを恐れて、書き換えをしたと認識している」と述べ、答弁に事実でないことがあるかについて明言しなかった。

太田理財局長、昭恵氏の名前記載の理由「総理夫人だということ」 共産・小池氏の追及に 委員会室は騒然(14:25)

 改ざんされた決裁文書に、なぜ安倍晋三首相の妻昭恵氏の名前が記載されていたのか。共産党の小池晃氏はこの点を問題視し、その理由をただした。

 小池氏は財務省の太田充理財局長に「なぜ国会議員でもない昭恵氏の動向が(改ざん前の決裁文書に)記載されているのか」と質問した。それに対して、財務省の太田充理財局長は「それは、基本的に、総理夫人だということだと思う」と答弁すると、委員会室は騒然とした。

 小池氏はこれを受けて、「重大な発言ですよ。総理夫人なんですよ。まさに国会議員以上に配慮しないといけない存在なんですよ。だから決裁文書に登場してきている」とたたみかけ、昭恵氏の関与が特例承認に重大な影響を与えたとする考えを示した。

 こうした追及に対して首相は「決裁文書の変更については、一切私からも指示はしていないし、妻の昭恵も全く関わっていない」と反論した。しかし小池氏は「いくら昭恵さんが家では『言っていない』と言っても、誰も納得しない。昭恵さんの国会招致を求める」と述べ、質問を終えた。

公明・横山氏「佐川氏に全責任を取ってもらおうとしているように見える」(14:05)

 決裁文書の改ざんは、9日に国税庁長官を辞任した佐川宣寿・前財務省理財局長のみの責任なのか――。公明党の横山信一氏は、この問題をめぐって、こうした見方に疑問視した。

 政府側の姿勢について、横山氏は質疑の中で「佐川氏に全ての責任を取ってもらおうとしているようにも見える」と指摘した。これに対する答弁で、後任の理財局長である太田充氏は「(文書の改ざんは)財務省理財局においてであり、それより上の大臣から指示があったりではないということだ」と説明。具体的に誰の指示だったかなどについては「今調査をしている」と述べるにとどめた。

太田理財局長「忖度とは本人の心の中。担当者の心の中まで見通す能力ない」(13:20)

 「心の中まで見通す能力はない」。財務省の太田充理財局長は、財務省の森友学園との国有地取引をめぐる「忖度(そんたく)」の有無について、公明党の矢倉克夫氏から質問されて、そう答弁した。

 太田氏は答弁の中で、「忖度というのは、基本的にはその本人の心の中ということ」とし、「担当者の心の中まで見通してお話しする能力は私にはない」と述べた。

 矢倉氏はこれを受けて、「忖度というのは、される側が分かるわけではない。した側がどういう心の思いかというところだ」と指摘。「(財務省の)現場で苦労した方々も、やはりやりたくないことをやらされた被害者かもしれない」と述べ、財務省内の内部調査を速やかに提出するよう求めた。

内閣支持率急落受け、政府側の答弁に注目

 週末に報道各社が実施した世論調査では、安倍政権の内閣支持率が軒並み大幅に低下した。朝日新聞の世論調査では支持率が31%となり、第2次安倍政権発足以降最低になった。

 財務省の決裁文書改ざん問題をめぐっても、安倍晋三首相にどの程度責任があると思うかを尋ねると「大いに」と「ある程度」を合わせ、「責任がある」は82%にのぼった。

 政府や与党側はこれまで、改ざん問題を「謝罪」しつつ、その責任を、主に財務省理財局の一部や佐川氏にあると主張している。ただ、世論調査の結果、国民はそうは見ていない様子が浮き彫りになった。世論調査の結果を受け、政府側の答弁に変化が見られるかも注目される。

批判強める公明、どう質問?

 午後に2人が質問に立つ公明党。財務省の決裁文書の改ざん疑惑が浮上した当初は、この問題から距離を置いていた。だが、財務省が改ざんを認めてからは批判を強めている。

 今月14日の参院予算委員会では、今回と同じ顔ぶれの2人が質問に立った。質疑では、改ざんについて「理財局だけの判断でできるのか。別の力が働いたと考えるのが普通だ」など、政治家の関与の有無も含めて追及した。

 週末の世論調査で国民の厳しい視線が改めて浮き彫りになる中、野党が求める佐川氏の証人喚問に公明党がどのような姿勢で臨むのかも、注目されている。

民進・大野氏「麻生氏の財務省へのコントロールに疑義」(11:40)

 決裁文書改ざん問題では、国土交通省が3月5日に省内に改ざん前の文書があることを把握し、首相官邸と財務省に伝えていた。だが、財務省内では麻生太郎財務相に改ざんが公表される前日の11日まで報告されていなかったという。予算委では、この点を問題視する質問も出た。

 民進党の大野元裕氏は「多くの閣僚や安倍晋三首相も知っていたが、(麻生氏は)聞いていなかった。所管の大臣であるにもかかわらず、(報告が)なかったことは適切だと思うか」と迫った。

 麻生氏は「組織のトップとしては、最終的な調査結果を待つのが、あるべき態度だと思う」と問題ないとする認識を示した。これに対し、大野氏は「麻生氏の財務省へのコントロールに疑義を感じざるを得ない」と批判した。

 午前11時54分、予算委は休憩に入った。午後1時に再開する。

前川前文科次官講演の調査問題 民進・難波氏「教育への国家統制、政権の体質そのもの」 首相「承知していない。答えようがない」(10:30)

 参院予算委員会では森友問題だけでなく、前川喜平・前文部科学事務次官が名古屋市の中学校で講演した内容などを文科省が調査した問題についても質問が出た。

 民進党の難波奨二氏はこの問題について「国が学校現場に介入したとも受け取れ、教育への国家統制だ」と批判。その上で、「我が国は自由で民主的な社会。言論統制するような社会になっていくことは、ゆゆしき事態。安倍政権の体質そのものが、今回のこの案件も表れている」とただした。

 安倍晋三首相は「その件について私は承知していないので、答えようがない」と繰り返し、答弁は文科省の局長に任せた。文科省の担当者は、調査に政治家の関与があったかとの報道については「文科省としての判断」と否定した。

内閣支持率急落 首相「コメント差し控えたい」(10:25)

 週末にかけて報道各社が実施した世論調査で、内閣支持率は大幅に低下した。朝日新聞では支持率が31%と第2次安倍政権発足以降、最低となった。こうした状況について、民進党の難波奨二氏が安倍晋三首相に認識を質問した。

 首相は「報道機関の調査についてコメントすることは差し控えたい」としつつ、財務省の決裁文書改ざん問題について「行政全体に対する国民の信頼を揺るがす事態となっていることについて、深刻に受け止めている」と述べた。

社民・福島氏、自民の政権守る質問にヤジ 首相はジロリ(10:00)

 自民党の和田政宗氏は「財務省は官邸をだました」「政治が隠蔽(いんぺい)をこじ開けた」など、徹底的に財務省を批判し、政権を守る質問を展開した。そのたびに、野党席から「おいおい」「全く違う」「国民が笑っているぞ」とヤジが飛んだ。

 午前10時ごろ、財務省批判を続ける和田氏に、福島瑞穂氏(社民)が「総理の答弁を考慮し(て改ざんし)たんですよ」とヤジ。眉を寄せて険しい表情だった安倍晋三首相が、福島氏に目をやる。ヤジを注意して欲しかったのか、首相は斜め後ろの委員長席を向いたが、金子原二郎委員長(自民)は動かなかった。

財務省理財局長、自民からも追及(10:00)

 自民党の和田政宗氏は決裁文書の改ざん問題で、厳しく財務省当局を追及した。やりとりの中で、今回の国会審議で答弁に立っている太田充理財局長が、民主党政権時代に野田佳彦首相(当時)の首相秘書官を務めていたことを取り上げた。

 和田氏は「アベノミクスをつぶすために、安倍政権をおとしめるために、意図的に変な答弁をしているんじゃないか」と指摘。これに対して太田氏は語気を強めて反論した。「私は公務員としてお仕えした方に一生懸命お仕えするのが、仕事。いくら何でも、そんなつもりは全くない」

安倍首相「文書の存在すら知らない。指示のしようがない」改ざん指示を否定(09:25)

 「行政全体に対する国民の信頼を揺るがす事態になっており、行政府の長として責任を痛感している。最終的な責任は、総理大臣たる私にある」

 安倍晋三首相は19日午前の参院予算委員会の集中審議でこう答弁し、自身の責任を認め、改めて謝罪した。自民党の青山繁晴氏の質問に答えた。

 首相は一方で、「(財務省)理財局内や(近畿)財務局内の決裁文書など、私はその存在すらも知らない。指示のしようがない」と、改ざんの指示については強く否定した。

 首相は昨年2月17日、国有地の取引をめぐり、「私や妻が関係していたということになれば首相も国会議員も辞める」と答弁した。野党は、この答弁が改ざんのきっかけになったのではないかと指摘。首相はこれについても「(改ざんされた文言も)2月17日の答弁をひっくり返すような記述では全くない」と述べた。

集中審議、首相に直接質問 佐川氏の証人喚問も焦点

 森友学園との国有地取引をめぐる決裁文書を財務省が改ざんしていた問題で、3月に入ってから国会は混乱してきた。立憲民主党や希望の党、共産党など野党6党は、政府の対応に反発して衆参両院で審議を欠席。新年度予算案の審議に影響が出ていた。

 19日の参院予算委員会の集中審議は、16日に国会審議が正常化してから初めて、野党が安倍晋三首相に直接質問する機会となる。

 野党6党にとって、審議に応じる最低条件だったのが、佐川氏の証人喚問だ。しかし、16日の予算委理事会では佐川氏の証人喚問を求めた野党側に対して与党は応じず、「19日の審議で必要性を判断する」との立場を維持した。野党側が佐川氏の証人喚問の必要性について、いかに審議の中で訴えられるかも大きなポイントになる。(中崎太郎)

集中審議開始、安倍首相・麻生財務相ら出席(09:00)

 午前9時、参院予算委員会の集中審議が始まった。安倍晋三首相、麻生太郎財務相が出席。森友学園との国有地取引をめぐる財務省の決裁文書の改ざん問題をめぐって、激しいやりとりが予想される。

野党「佐川氏の証人喚問の議決を」理事会で要求(08:45)

 委員会の理事会とは、各会派の代表者が、委員会の進め方を話し合う場だ。この日は午前9時に始まる参院予算委員会に先立って開かれた。

 理事会では、辰巳孝太郎氏(共産)が「今日の委員会で佐川宣寿・前理財局長の証人喚問を議決頂きたい」と提案。続けて、蓮舫氏(立憲民主)も「私たちからも、なるべく早く議決を」と同調した。

 佐川氏の証人喚問については、与野党のトップに当たる筆頭理事を務める、石井準一氏(自民)と川合孝典氏(民進)が、委員会の開会に並行して協議することになった。昼の理事会で、対応について再び取り上げられる見通しだ。

削除された文書、財務省が理事会で謝罪(08:45)

 参院予算委員会に先だって、理事会が開かれた。この場で、財務省が改ざん前の文書から削除されていた新たな文書を提出。財務省幹部は理事会で報告し、謝罪した。

 財務省が新たに提出したのは、森友学園と取引した国有地の敷地内に新たに見つかった、「地中のごみ」への対応を記した文書。週末に削除されていることに気づいたという。

 理事会では、立憲民主党の蓮舫氏と共産党の辰巳孝太郎氏が、改ざん当時の財務省理財局長だった佐川宣寿・前国税庁長官の証人喚問を19日の委員会で議決するよう求めたが、議論はまとまらなかった。(山岸一生)