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 中央大と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は19日、手術を受けるネコの輸血に使える人工血液を作ったと発表した。今後、安全性を確かめた上で実用化を目指す。国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」での研究成果を生かしたという。

 中央大の小松晃之教授によると、無重力状態では、たんぱく質の結晶が作りやすくなることを応用。「きぼう」内で、ネコの血液に含まれるたんぱく質「血清アルブミン」を結晶化し、構造を特定することで、人工血液に使える成分を作り出した。成分は粉末で保存でき、血液型による違いがないため拒絶反応も起きないという。

 ペットフード協会によると、2017年に国内で飼われているネコは推計953万匹で、イヌの飼育数を上回った。動物病院で輸血が必要な手術も増えているが、輸血用血液を備蓄する体制はできていない。研究チームは現在、イヌでも人工血液を開発中という。

 小松教授は「動物の医療現場は輸血で困っている。人工血液は動物たちの医療に大きく貢献するだろう」と話した。成果は、英国王立化学会の学術誌電子版(http://www.rsc.org/journals-books-databases/about-journals/journal-of-materials-chemistry-b/別ウインドウで開きます)に掲載される。(杉本崇)