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 指揮者の井上道義さんがオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の音楽監督として出演する金沢最後の定期公演が17日、県立音楽堂(金沢市昭和町)で開かれた。1560席のホールはほぼ満席。井上さんは終演後、取材に「アヒルとも共演したし、舞台で逆立ちもした。思い残すことはないです」とおどけた。

 この日のプログラムは、プーランク「オーバード(朝の歌)」で新鋭ピアニスト反田恭平さんと共演。さらにハイドンの交響曲第6番、第7番、第8番でウィーン古典派を得意とするOEKの本領を発揮した。アンコールの武満徹「3つの映画音楽より ワルツ」では井上さんは手を背中で組み、気心の知れた仲間に音楽を委ねる場面も。最後の一音を鳴らすと身を翻し、両手を高く上げてスタンディングオベーションに応えた。

 小学生時代からのファンというかほく市の安川佐知子さん(45)は「道義さんがいらっしゃったことで、金沢の街はより一層素晴らしかった」。音楽堂楽友会の竹田浩・代表幹事は「金沢でオーケストラを確固たるものにし、レパートリーを広げていただいた。たまには帰ってきて、またOEKを振ってほしい」と話した。

 同内容の東京定期公演は19日午後7時、サントリーホール(港区赤坂1丁目)である。問い合わせは県立音楽堂(076・232・8111)。(田中ゑれ奈)