ライバル物語は2020東京へ 「二刀流」たちの挑戦
高野遼 高浜行人
障害者のスポーツの祭典が、10日間の日程に幕を下ろした。障害や年齢、地域――。多様な境遇の選手たちが最高峰の戦いを終え、それぞれの思いを込めた言葉を雪と氷の舞台に残した。競技を問わないチャレンジ精神で、2年後の東京パラリンピックを見据える選手もいる。
ライバルいるから
山本篤(35)=新日本住設=は、2016年リオデジャネイロ夏季大会の走り幅跳び銀メダリスト。そのとき銅メダルだったのが、デンマークのダニエル・ワグナー(24)だ。昨年の世界パラ陸上では、逆にワグナーが山本の3連覇を阻んだ。
義足の2人はともに今大会、スノーボードで冬季パラリンピックに初出場した。スノーボードクロスで山本は1回戦敗退だったが、ワグナーはベスト8。バンクドスラロームは山本が棄権、ワグナーが9位。「僕の方が先にスノーボードを始めたから、少し上に行ったね」とワグナー。山本は「そりゃ負けたくないけど、今の実力では勝てなかった」と振り返った。
陸上で世界トップを争ってきた2人だが、スノーボードは短期間で上位が狙えるほど甘くはなかった。それでも「二刀流」に挑戦した理由とは――。
「今年は陸上で世界大会もなく、平昌に出ることで自分に刺激を入れたかった」と山本。ワグナーも「陸上のハードな練習を4年間ひたすら続けるより、他の挑戦をする方が相乗効果が生まれると思ったんだ」と話す。
「陸上でもまた戦えるのを楽しみにしている」と話す山本に「目標は、走り幅跳びで山本を倒して金メダル」とワグナー。ライバル物語は2年後、東京に舞台を移す。(高野遼)
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