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 マラソンなど長距離のレースを走るには、軽くて薄い底のシューズがいい。こんな常識を覆す厚底シューズが現れた。開発したのはナイキ。航空宇宙産業で使う特殊素材を盛り込んだ靴の秘密とは何か。競合他社は、「伝説の職人」と新規契約を結ぶなど、開発レースの先頭集団から取り残されないよう、それぞれの方針で力を入れる。

かかと3センチ増、「疲労感が全然違う」

 レースを終えた設楽悠太(ホンダ)は、足元を支えた「相棒」へ感謝の言葉を口にした。「いいシューズを選んで効率よく練習ができた」。2月25日の東京マラソンを2時間6分11秒で快走。16年ぶりに日本記録を更新した。

 相棒は、ナイキの「ヴェイパーフライ4%」。軽くて薄底が主流だったランニングシューズの常識を覆す厚底が特徴で、かかと部分は従来より厚い3センチ余り。「疲労感が全然違う」と設楽は話した。ナイキジャパンによると、「従来の看板シューズよりエネルギー効率が4%改善されている」という。

 男子で世界歴代3位の2時間3分5秒を持つエリウド・キプチョゲ(ケニア)が開発に大きく貢献した。2016年リオデジャネイロ五輪の前、契約選手のキプチョゲから「クッション性や、前に進むスパイクのような働きがほしい」との要望があった。

 クッション性は、航空宇宙産業で使う特殊素材に目を付けた。軽く、かつ柔らかくて丈夫な靴底を作った。その間に反発力のあるカーボンファイバー(炭素繊維)で作った板を挟み込む。ふわふわの座布団とバネを組み合わせるイメージだ。クッション性と脚を前に押し出す働きを両立させた。そのうえで、総重量を従来の主力モデルより10グラムほど軽い約180グラムまで削った。

 結果は良好だ。試作品の段階だったリオの男女マラソンで、キプチョゲの金など、全メダル6個のうち5個を獲得。大迫傑(ナイキ・オレゴンプロジェクト)は、昨年12月の福岡国際を2時間7分19秒で走った。当時の日本歴代5位の好記録だった。

販売店も驚き「地殻変動が起きている」

 走りに合わせて靴を選ぶのではなく、靴に合わせた走りに取り組むという逆転現象も起きている。今年の箱根駅伝で履き、往路優勝した東洋大がその例だ。1区で区間賞を取った西山和弥(1年)は言う。「すごく跳ねるので、上半身が弱いと(力が)上に逃げてしまう」。履きこなすため、1年間フィジカルを重点的に鍛えた。

 ネット上で駅伝情報を発信して…

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