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 法務省は20日、インターネット上の記述や画像掲載などによる人権侵害があったとして、全国の法務局が被害者の申告を受理した「人権侵犯事件」が、昨年は2217件あったと発表した。一昨年より308件(16・1%)増え、5年連続で過去最多を更新した。内訳はプライバシーの侵害が1141件、名誉毀損(きそん)が746件で、この2種類で全体の約85%を占めた。

 同省によると、昨年はSNSがらみの人権侵害が目立ったという。例えば、被害者になりすましたアカウントに上半身裸の画像が掲載されているのを見つけ、SNSの運営会社に削除を求めたものの応じてもらえない、という被害の相談があった。ほかにも、全国的に報道された刑事事件に関連し、実際は無関係なのに「容疑者の関係者」として名前や画像がSNSや動画投稿サイトに掲載された事例もあった。

 各地の法務局はこうした人権侵害を把握した場合、被害者に削除依頼する方法を教えたり、プロバイダーやサイト管理者らに直接、削除を要請したりしているという。

 ネット上の人権侵犯事件は2012年から増加に転じ、13年には過去最多を記録。その後も増え続け、昨年はじめて2千件を超えた。法務省人権擁護局は「ネット上に掲載された情報は一気に拡散し、完全に消去することは難しくなる。人権侵害が疑われる掲載に気づいたら、すぐに最寄りの法務局に相談して欲しい」と注意を呼びかけている。(小松隆次郎)