文科省の質問事項、自民議員の意見反映 前川氏講演調査

根岸拓朗、土居新平
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 前川喜平・前文部科学事務次官が名古屋市立中学で講演したことについて、文科省が市教育委員会に調査していた問題で、文科省が市教委への質問を事前に自民党の池田佳隆衆院議員(比例東海)に見せ、池田氏の意見を参考に一部修正していたことが分かった。林芳正文科相が20日の記者会見で明らかにした。林氏によると、自民党の赤池誠章参院議員(比例)も、前川氏の講演について文科省に照会していた。

 赤池氏は自民党の文部科学部会長、池田氏は同部会長代理を務めている。林文科相は「事実確認は文科省の判断」として、議員からの照会は影響なかったと述べた。また、質問の修正も「あくまでも文科省の主体的な判断で行った」と語った。ただ、具体的にどのような修正をしたかは説明していない。

 赤池氏も20日、文科部会の会議後に、自民党本部で記者会見した。赤池氏によると、名古屋市が地元の池田氏から連絡を受け、前川氏の講演について文科省に事実確認を求めたという。

 赤池氏は「(今回のことが)文科省への圧力になるなら、国会議員は仕事ができなくなる」と主張。一方、文科省が送った質問は事前に知らなかったといい、「(文面を見て)やり過ぎだと考え、(文科省に)懸念を伝えていた」とも語った。池田氏は20日の同部会を欠席したが、赤池氏によると、池田氏は「指示はしていない」と話しているという。

 文科省が調べたのは、名古屋市立八王子中で2月16日にあった前川氏による講演。同省教育課程課は3月1日に市教委にメールを送り、前川氏の組織的な天下りへの関与や「出会い系バー」の利用が報じられたことを指摘。前川氏を呼んだ理由を尋ねたほか、講演内容の録音データも求めた。

 メールは2回にわたり、「道徳教育を行う学校で授業を行ったことについて、改めて校長の見解を具体的にご教示ください」などと問いただす内容だった。林文科相は「圧力を与えかねないことがあった」として初等中等教育局長を口頭で注意したことを明らかにしている。(根岸拓朗、土居新平)