拡大する写真・図版 大リーグの日本選手 2017年シーズン成績

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 大リーグは29日(日本時間30日)に全30球団が開幕戦を迎える。投打「二刀流」を目指す大谷翔平(エンゼルス)に、6年ぶりに古巣へ復帰したイチロー(マリナーズ)と、日本国内はもちろん、米国のファンも日本人選手に注目するシーズンになりそうだ。

 大リーグを目指すようになったきっかけを問われると、エンゼルスの大谷翔平はこう答える。「子どものころからテレビで見てきた。いろんな日本人の選手が挑戦して、自分も行ってみたいな、と」

 大谷は1994年7月に生まれた。イチローがオリックスからマリナーズへと移り、安打を積み重ね始めるのは2001年。その翌年の秋、小学2年生だった大谷は父、徹さんの手ほどきで野球を始めた。日本人選手が大リーグで活躍する。それは、絵空事でも何でもなく、大谷にとっては日常だった。

大谷「目指すはイチロー」

 特にイチローの存在は、野球少年・大谷に影響を与えた。投げたり、書いたりは右なのに、打つのだけは左。理由を以前、徹さんが話してくれた。自身が左打ちで、教えやすかった。左打席は一塁に近く、ヒットになりやすい。そして、「私、イチロー選手が大好きなんです。足が速く、肩が強い。ここを目指すべきだと、翔平が小さいころから言っていました」と徹さん。大谷の理想の一つが、イチローのプレーにある。

 そのイチローは今季、大谷が記憶に残す最初のユニホームを着る。前回マリナーズに在籍していた01~12年シーズンは、262本のシーズン最多安打(04年)や10年連続200安打など輝かしい足跡を残す一方、一部地元メディアからは「記録のために打っている」と批判されもした。

 復帰会見でイチローは自らの歩みを振り返り、決意を語った。「メジャーでプレーすることが決まったときは自分のことしか考えていなかった。結果を残さないと、この世界でやっていけないですから。ただ、当時と違うのは、いまマリナーズが必要としていること、僕がそこの力になれるのであれば、もうなんでもやりたい」

 オープン戦で苦しみながらも、ひたむきに未来へ進む23歳のルーキーは、「イチローさんと(プレー)できる選手はすごく限られている。そういう機会が、もしかしたらあるかもしれないということだけでも、すごく楽しみ」と、同じグラウンドに立つ日を心待ちにする。道を切り開き、新たな境地に達した44歳の現役最年長野手も「世界一の才能とよく聞くし、僕も見たことはないけどそう思う。そんな選手と対戦することは野球のだいご味の一つ。必ず実現させたい」。ともに順調なら、5月4日(日本時間5日)、シアトルで相まみえる。(山下弘展)

強力な投手陣に期待

 日本が誇る投手陣は今季も活躍が期待できそうだ。

 ヤンキースの田中将大は4年連続の開幕投手こそ逃したが、2戦目の先発が内定した。大リーグ4年間で計52勝。キャンプでは率先してブルペンに入るなどチームの柱としての自覚も強い。6年総額約137億円の大型契約でカブスへ移籍したダルビッシュ有も、仕上がりは順調のようだ。オープン戦では160キロに迫る速球を投げ、「調子に乗りすぎないようにしないとね」と苦笑い。ドジャースの前田健太も首脳陣からの信頼は厚い。先発ローテーションを守り、昨季あと一歩届かなかったワールドシリーズ制覇を狙いに行く。

 5年連続で50試合以上に登板したマーリンズの田沢純一は今季もフル回転を誓う。昨年右肩を手術したマリナーズの岩隈久志は、5月下旬の復帰を目指す。

 2人の新顔も開幕が待ち遠しそう。西武からパドレスへ移籍した牧田和久は「米国の人たちを驚かせたい」。100キロに満たないアンダースローからの「遅球」で強打者たちに挑む。オリックスからダイヤモンドバックスに移った平野佳寿も「自信はある」ときっぱり。大リーグでも、狙うは守護神の座だ。(山口裕起)

シーズンの進め方

 アメリカンとナショナルの両リーグに分かれ、30球団が、それぞれレギュラーシーズン162試合を消化する。プレーオフには、両リーグの東、中、西に分かれた3地区の優勝チームと、地区優勝以外で勝率が高い上位2チーム(ワイルドカード)が進出する。ワイルドカードゲーム(1試合制)、地区シリーズ(5試合制)、リーグ優勝決定シリーズ(7試合制)と進み、勝ち上がった2チームが頂点をかけて、ワールドシリーズ(7試合制)で対決する。