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 NTTや国立情報学研究所などが開発した計算機「量子ニューラルネットワーク(QNN)」について、内閣府は当面、「量子コンピューター」と呼ばないことを決めた。国際的な定義が定まっていないためで、今後も研究は続ける。

 量子コンピューターは、一つずつ計算する従来のコンピューターが処理できない膨大なデータでも短時間で解くとされ、様々な方式が世界で研究されている。

 QNNは、光ファイバー内を流れるレーザー光の相互干渉を利用し、多くの選択肢から最適な組み合わせを見つけることを得意とする。昨年11月に試作機を公開し、山本喜久プログラムマネジャーは「量子コンピューター」として説明していた。

 一方、QNNには従来のコンピューターと同様の電子回路が組み込まれており、量子力学的に計算が速くなる効果はないので「量子コンピューターではない」という指摘が研究者から出ていた。

 こうした議論を受け、内閣府は専門家7人の意見をまとめた報告書を公表。QNNについて「計算が速くなる量子力学的な効果が重要な役割を果たしている」とする一方、「量子コンピューターと認知されるには理論の実証がまだまだ必要」などの意見が出たという。

 国際学会では、量子コンピューターの定義の議論が続いており、この結論が出るまで、内閣府はQNNを量子コンピューターと呼ぶのを控えることにした。開発は継続し、数億円の予算を追加する方針。

 山本氏は「量子力学的な効果や実用性を理解してもらえる努力を続ける」と話した。(杉本崇)