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 中学道徳の教科書が合格した「日本教科書」は初めての検定申請だった。同社は安倍晋三首相の政策ブレーンとして知られる八木秀次・麗沢大教授らが2016年4月に設立した「道徳専門の教科書会社」だ。

 道徳の教科化などを提言した、政府の教育再生実行会議の有識者委員を務める八木氏によると、道徳の教科書作成は以前に他の会社と計画していたが、途中で頓挫したため、賛同者から出資を募って会社を設立した。いったんは社長に就いたが、「(1人以上の役員が)出版に関する相当の経験を有する」という教科書会社に求められる要件に合わないとして、昨年に退任した。当初から教科書の監修や執筆にタッチせず、助言している程度という。

 八木氏は「道徳の教科化に合わせスタンダードを示したかった」と語る。教科書作成の中心を担った金沢工業大の白木みどり教授は「答えが一つではない、多様性を意識した教材を載せた」と話す。

 合格した教科書では性的少数者や中学生の恋愛などを取り上げた。国際理解や貢献を学ぶ教材として、安倍首相が16年12月に米ハワイの真珠湾を訪問した際の演説の一部も掲載した。(峯俊一平)