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 小松市立明寺町の立明寺窯跡で市埋蔵文化財センターが昨年度実施した調査で、7世紀後半の白鳳時代の窯本体の遺構が発見された。市内の窯跡では最古とされ、センターは加賀国の政治の中心だった加賀国府の実態解明にもつながる貴重な史料として調査を進めている。

 見つかった窯の付近では、2004~05年度の調査で白鳳期の瓦や土器が出土。燃えかすや失敗作を捨てる「灰原」とともに窯があったと判明したが、窯跡の推定場所の上に南北朝時代の墓の遺構があったため調査を中断。16年度の地形測量調査で別の窯の存在がわかり、昨年10月に始めた発掘調査で窯の一部を確認した。

 センターによると、国家の安泰を祈念するため加賀国の国府に置かれた国分寺は現在の同市古府町にあったと推定されており、立明寺窯跡の出土品と似た白鳳期の瓦が見つかっている。加賀国分寺は既存の寺院が転用されて平安時代に成立したとする文献があり、立明寺窯では転用前の寺院の瓦が焼かれていたとみられるという。

 加賀国は23年に立国1200年を迎える。国分寺跡推定地の周辺は昭和中期に耕地整理が進められたため、国府の遺跡が発見される可能性は低いという。センターの樫田誠所長は「窯は加賀国府のストーリーを考える上で夢が広がる重要な発見。周辺の遺跡から加賀国府の歴史を解き明かしていきたい」と話す。(田中ゑれ奈)