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 昨年、輸入車として4年ぶりに日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したスウェーデンのボルボ。28日には今年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーに輝いた小型SUV(スポーツ用多目的車)XC40を国内で売り出す予定だ。就任以降、国内で販売台数を伸ばし続けるボルボ・カー日本法人の木村隆之社長(53)に今後の戦略や輸入車市場の動向について聞いた。

 ――今年のボルボの戦略は。

 「昨年は中型SUVのXC60で日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、今年はXC40を発売する。大型SUVのXC90からXC60、XC40までSUVのラインナップがそろうことで、今年はボルボにとってSUVの年になる。ボルボのSUVのルーツはワゴン車。昔はワゴンがファミリーカーとしての役割を担っていたが、その役割は今SUVに移りつつある」

 ――国内で売れた輸入車が昨年、20年ぶりに30万台を超えた。

 「なぜ輸入車が好調かと言えば、国内でも、(輸入車を中心に)車にこだわる人と、そうではない人で消費行動の二極化がはっきりしてきたから。今後もその流れは変わらないと思う。5年後には40万台を超えて、いまは10%に満たない輸入車のシェアも15%を超えるはずだ」

 ――世界的に電気自動車(EV)を含めた電動化の動きが活発になっている。

 「電動化の流れは絶対に変わらない。ただ、EVがどこまでシェアを伸ばすかはバッテリー技術の進化次第だ。電動化の技術が進化していくのは間違いないが、EVが日本で十分に受け入れられるかはわからない。あれだけの販売ネットワークを持つ日産自動車が売るEVリーフの売れ行きを見ても、国内の車がEVにすぐシフトするとは思えない」

 ――ボルボの親会社は中国の吉利ホールディングス。親会社が中国メーカーであることの影響は。

 「親会社からは中国で好まれるデザインにしてほしい、もっと派手なものにしてほしいと言ってくるが、ボルボはスウェーデンの本社ですべて決めているという姿勢だ。そのおかげで、国内ではスウェーデンのブランドとして控えめな感じがいいと評価してくれる人もいる」

 ――ボルボ・カー日本法人として初の日本人社長。今後の目標は。

 「ボルボの日本販売は浮き沈みが激しい。1996年は2万4千台を売った時期もあるが、リーマン・ショックのときは6400台まで落ち込んだ。17年は1万5751台を売った。良いときは良いが、悪いときは悪いという安定しないブランドだ。今後は、ある程度安定的に売れるブランドだと販売店に認知してもらえるよう努力したい」

 ――課題解決には何が必要か。

 「販売が落ちるのは、顧客のボルボに対する印象が下がるから。そのために、顧客満足度をナンバーワンにするために活動している。500万円の車を3年乗るとしたら、購入者は毎月約15万払っている計算になる。レストランで毎月15万円使う客がいたら店員はものすごく丁寧な対応をするはずだ。それくらいの対応を車の販売店員もしないといけないと伝え、接客意識を高めてもらっている」

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 〈きむら・たかゆき〉 大阪大卒。87年にトヨタ自動車入社。その後、ファーストリテイリング営業支援統括部長、インドネシア日産自動車社長などを経て、14年7月にボルボ・カー日本法人の社長に。(聞き手・高橋克典)