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 財務省が森友学園との国有地取引に関する公文書を改ざんした問題で、衆参両院の予算委員会で27日、当時の理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)氏(60)の証人喚問があった。佐川氏は「刑事訴追の恐れがある」として、自身の関与など改ざんの経緯についてほぼすべての証言を拒否した。そうしたなかで、官邸などからの指示については明確に否定した。

 佐川氏が公の場で発言するのは国税庁長官を辞任した今月9日以来。冒頭、理財局で改ざんが行われたことについて「当時の担当局長として責任はひとえに私にある」と謝罪した。

 その後、与野党の議員から改ざんの目的や経緯などを繰り返し問われたが、「私自身が捜査の対象になっているということで、答弁を控えたい」などと40回以上にわたって証言を拒んだ。これまでの国会審議で財務省が「佐川の答弁に合わせて書き換えた」(麻生太郎財務相)、「佐川氏の関与の度合いは大きかったのではないか」(太田充理財局長)などと説明していることに対しては、「(財務省の調査を)承知していない」と述べるにとどめた。

 一方で、丸川珠代参院議員(自民)から、安倍晋三首相や菅義偉官房長官、麻生財務相などから改ざんの指示がなかったかを問われると、「ございません」と否定。改ざんは「理財局の中で行われた」と主張した。これに対して野党議員らは「ここの部分だけはっきり答えるのはどういうことか」と疑問視した。

 昨年2月以降の国会答弁にも質問が集まった。「改ざん前の文書とは別の(内容の)虚偽答弁をしている」と指摘されると、「虚偽答弁かどうかは私が書き換えをいつどういう風に認識したかに関わる」として詳細は語らなかった。

 ただ、土地取引の交渉記録を「廃棄した」と答弁したことについては、「(改ざん前の文書に)交渉記録に類する記述がある」と認め、「国会対応について丁寧さを欠いていた」と謝罪した。そのうえで「虚偽(答弁)という認識は当時はなかった」と釈明した。

 証人喚問では佐川氏の補佐人を元検事の熊田彰英弁護士が務め、佐川氏が助言を求める場面もあった。

佐川宣寿氏の主な発言(骨子)

【改ざんの認識や関与】

・刑事訴追を受けるおそれがあり、答弁を控えたい

・官邸や政治家から指示はない

【国会での当時の答弁】

・丁寧さは欠いていたが虚偽答弁との認識はない

【森友学園との国有地取引】

・首相夫人が(学園の小学校の)名誉校長であった影響はない

・政治家などからの不当な働きかけはなかった