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 伝統的工芸品「桐(きり)たんす」で全国に知られる加茂市・田上町。需要が年々減っている中で、修理を中心に手がけ、全国から依頼を集める職人がいる。長年大切に使われてきたたんすの修理を通じて、家族との思い出や歴史をつないでいる。

 雪がしんしんと降る2月上旬、「桐の蔵」(田上町田上丙)の職人、鈴木進さん(45)が、カンナで古びた桐たんすを削っていた。1・7メートル四方で、4分割できる大きなたんすは日焼けで焦げ茶色になり、背や引き出しにはひびがある。割れ目に溝をつくって木を埋め込み、カンナで全体を削ると、切れ目のないきれいな色の面が出てきた。

 修理を依頼したのは、岡山県に住む78歳の女性。昭和初期に作られたとみられる桐たんすは、戦争の過去や母親との思い出を紡いできた。1945年6月の岡山空襲で自宅は焼け、女性は着の身着のままで逃げた。身の回りの物で残ったのは、疎開先に置いていた桐たんすだった。

 戦後、母親がたんすの中にあっ…

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