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 公開中の米映画「ブラックパンサー」(マーベルスタジオ)が社会現象とも言える人気だ。いわゆるスーパーヒーローものだが、これまでと大きな違いが一つ。ヒーローが黒人なのだ。主な舞台はアフリカ。アフリカ系の人たちのルーツへの誇りや自らの可能性に対する思いを揺さぶり、共感を呼んでいる。

 アフリカの奥地にあるとの設定の架空の国「ワカンダ」。とてつもないエネルギーを生む鉱石ビブラニウムの宝庫だ。テクノロジーが高度に発展した社会を築いているが、対外的には最貧国と見せかけている。

 主人公のティ・チャラ(チャドウィック・ボーズマン)は、父親の前国王がテロで殺されたことで後を継ぎ、ブラックパンサーとなって悪と戦う。そこへ王族の一人だが米国で育ち、黒人社会の武装決起を目指すエリック・キルモンガー(マイケル・B・ジョーダン)が現れ、王の座を奪って独裁を敷こうとする。

 ヒーローが悪と戦い、苦しみながら最後には勝つ。「お決まり」の筋書きとも言えるが、映画の興行成績を分析するウェブサイトのボックスオフィス・モジョによると、米国では2月16日の公開後5週連続で週末(金、土、日)興行成績1位を達成。3月25日までに国内興行成績歴代5位、ヒーローものでは歴代1位に躍り出た。世界では興行収入12億ドル(約1200億円)を突破した。

 大反響を呼んだのは、映画を通して黒人やアフリカの潜在的な可能性が描かれているためだ。ワカンダは植民地支配を受けず、独自に近未来的社会を築いた。植民地支配や奴隷貿易の被害がなければどんな未来があったのか。空想の世界を通じて問いかける。

 制作費は2億ドル(約200億円)ともされ、出演する俳優のほとんどが黒人。監督ら制作幹部も黒人が占める。ここまで本格的な黒人主役のスーパーヒーロー映画は初めてとされる。

子どもたちが共感

 映画の下敷きのコミック版原作者の一人でアフリカ系のエバン・ナルシス氏は「奴隷制や差別という痛みのレンズを通したものではなく、黒人とアフリカのつながりを栄えあるものとして見せてくれた」と語る。

 起業家のフレデリック・ジョセフ氏は「子どもたちにこそ見てもらいたい」と、黒人文化で知られるニューヨーク・ハーレムの子どもが映画を見る料金をオンラインで集めるクラウドファンディングで募った。

 20年ほど前、ハロウィーンの仮装でバットマンの格好をしたら、白人の子どもたちに「君はバットマンになれない」と言われた。なぜ、と問い返すとこう言われた。「バットマンは黒人じゃないんだから」

 それ以来スーパーヒーローの格…

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