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 働きながら不妊治療をした人の16%が、両立できずに退職していたことが厚生労働省の初の実態調査でわかった。ほかに11%が治療をやめ、8%が雇用形態を変えたと答え、治療と仕事の両立が難しい実態が浮かんだ。治療のための休暇など支援制度がある企業は9%にとどまっていた。

 調査は2017年12月、インターネットを通じて実施し、仕事をしている男女2060人が回答した。不妊治療をしたことがあると答えた265人のうち、42人が「仕事と両立できず退職した」と回答した。

 「両立している」と答えた141人のうち、87%が「両立は難しい」と感じていた。複数回答で理由を聞くと「通院回数が多い」49%、「精神面で負担が大きい」48%、「通院にかかる時間がよめない」36%と続いた。

 不妊治療中だと職場に伝えていた割合は38%。伝えていない理由は「不妊治療をしていると知られたくない」「周囲に気遣いをして欲しくない」が多かった。昨夏行った企業への調査では、回答した779社のうち、67%が不妊治療をしている従業員を把握していなかった。

 不妊治療には頻繁な通院が必要で、仕事を続けるのが難しいと指摘されている。15年に実施された体外受精は約42万件と、2005年と比べ3倍超になるなど不妊治療は増加傾向だ。厚労省の担当者は「どのような支援が必要なのか分からない企業も多い。企業には不妊治療への理解を深め、仕事と両立できるよう一時的な休暇制度などを検討してほしい」と話している。(黒田壮吉