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 宅配便最大手のヤマト運輸(東京)が、博多北支店のセールスドライバー(SD)に違法な長時間労働をさせたとされる事件で、福岡地検は29日、労働基準法違反の疑いで書類送検された法人としての同社と、博多北支店の幹部社員2人を不起訴処分(起訴猶予)とし、発表した。事件が発覚した後、同社が労働時間の管理方法を改めたことなどを考慮したという。

 福岡労働局は昨年9月、同社と博多北支店で労務管理を担当していた2人が2016年6月16日から7月15日の間、SD1人に労使協定で定めた1カ月あたりの残業時間の上限(95時間)を超える102時間の違法な残業をさせ、この社員を含むSD2人の残業代計15万円分を所定の支給日に支払わなかった疑いがあるとして、書類送検した。

 地検は、時間外労働と残業代の未払いを認めた上で、▽事件発覚後、全国的に未払いだった残業代を過去にさかのぼった形で支払った▽労働時間の管理方法を改めるなど実効性のある改善策を講じた▽時間外労働の上限を労使間で定める「36協定」違反が認められた労働者は、この事件で1人――などを考慮したと説明している。

 ヤマト運輸は「起訴猶予の事実を重く受け止めている。対象の事業所ではすでに違法状態を解消しているが、今後の再発防止はもちろん、労働環境のさらなる改善に向け労使一体となって取り組んでいく」とコメントした。(一條優太)