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 飲食店などで今年度に起きたカンピロバクターによる食中毒のうち、約半数は「加熱用」表示のある鶏肉を、生や加熱不十分で提供していたことが厚生労働省の集計でわかった。厚労省は29日、加熱用鶏肉で食中毒を繰り返す業者を告発するよう都道府県などに通知で促した。

 カンピロバクターによる食中毒は4~8月に多く、年間の患者数は2千~3千人。食後1~7日で下痢や腹痛、発熱の症状がでる。手足のまひや呼吸困難になるギラン・バレー症候群になる恐れも指摘されている。75度で1分以上加熱すればこの細菌は死滅するが、解体処理をした鶏肉の67%から見つかったという報告もある。厚労省はこれまで、鶏肉は十分加熱して提供するよう、飲食店に呼びかけてきた。

 厚労省の集計によると、昨年4~12月に起き、分析できた食中毒133件のうち、126件は生か加熱不十分な鶏肉や内臓を提供していた。うち47%にあたる59件は包装などに「加熱用」と表示されていたにもかかわらず、十分に加熱していなかったという。

 この結果を踏まえ、同省は、食中毒の調査を担う全国の自治体に、悪質な飲食店は食品衛生法違反容疑で告発するよう求める通知を出した。同法違反が適用されれば、3年以下の懲役または300万円以下の罰金となる。同省の担当者は「鶏肉は高い確率でカンピロバクターがいる。飲食店はリスクの高さを認識し、加熱を徹底してほしい」と話した。(福地慶太郎