[PR]

 東京都は30日、東京湾周辺が巨大台風に襲われた場合の高潮による浸水想定図を初めて公表した。都内23区のうち17区で浸水が発生し、深さは最大で約10メートルに達すると想定。浸水区域内の昼間人口は約395万人(夜間人口325万人)に上る。都や区は想定を基に避難対策を充実させる。

 高潮の浸水想定はこれまで国の中央防災会議が公表。2010年の試算で、東京湾全体の浸水区域内人口は約140万人とされた。2015年改正の水防法は高潮による浸水地域の指定を自治体に義務づけた。近年、海外で大規模な高潮災害が発生しているため、最大規模の台風を想定するよう求めている。

 都は1934年の室戸台風級の規模(910ヘクトパスカル)で、59年の伊勢湾台風並の速さ(時速73キロ)で進む「1千年~5千年に1度」の台風が東京湾周辺を通ると想定。その場合、東京湾につながる河川の水面が上昇し、23区の3分の1に相当する約212平方キロが浸水し、水が1週間以上引かない地域もある。東部地域の被害が目立ち、墨田区の99%、葛飾区の98%が浸水。江東区では68%が浸水し、区役所周辺の浸水深が2階建て建物に相当する6メートル近くに達する。葛飾、江東、中央の3区の一部で浸水深が最大10メートルになる場所もあるという。

 今回の想定では、死傷者や建物、インフラの被害を試算していない。都港湾局によると、東京湾の地形は台風で海面が上昇しやすい。東京は高潮の方が津波より浸水が広がる可能性が高いという。担当者は「防災意識を高めてほしい」としている。浸水想定図は都港湾局のホームページで見ることができる。(石井潤一郎)