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 厚生労働省が30日発表した2月の有効求人倍率(季節調整値)は前月より0・01ポイント低い1・58倍で、5年5カ月ぶりに低下した。有効求人倍率が前月を下回るのは、2012年12月の第2次安倍政権発足後で初めて。企業業績の改善や人手不足感の強まりで、有効求人倍率は12年10月から上昇か横ばいが続いていた。

 有効求人倍率は求職者1人あたりに何件の求人があるかを示す。2月の有効求人数は前月比1・1%減の274万9475人、有効求職者数は同0・3%減の173万7447人。求人数の減少幅が求職者の減少幅を上回ったため、有効求人倍率は低下した。

 求人数が減ったのは、人手を求める企業が、人材の奪い合いが激しくなる年度末を待たず昨年12月に求人を増やした反動とみられるという。厚労省は「企業の求人意欲は引き続き堅調で、雇用情勢は改善が続いている」としている。

 ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎・経済調査室長は「景気回復が続くなか、企業の人手不足感が強まり、この5年あまりは求人倍率は上昇傾向が続いた。すでにバブル期を超える水準で上昇の余地は小さくなっており、2月の低下が雇用情勢の悪化の兆しとは言えない」と分析する。

 総務省が同日発表した2月の完全失業率(季節調整値)は、前月より0・1ポイント高い2・5%だった。完全失業者数は前月比9万人(5・6%)増の169万人だった。(村上晃一)