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 岡山大病院は4月から、新しい医療用ロボットの臨床研究を始める。がんなど病変部に針を刺し、治療や検査をするロボットで、岡山大の医学部と工学部、地元民間企業組合が連携して開発したオリジナルだ。

 がんが疑われる部分に針を刺して組織を採る検査や、がんに電極針を刺し込んで焼くラジオ波治療などは、患者にとっては手術より体の負担が少ないという大きな利点がある。一方で、針を刺す際、医師は針の位置をCTで撮影しながら刺し込んでいくため、日々の治療の度に被曝(ひばく)する。

 この問題を解決するため、岡山大の平木隆夫准教授(放射線医学)らは、医師がCTから離れた場所で針を遠隔操作できるロボット「Zerobot(ゼロボット)」の開発を2012年から始め、16年に完成。人体模型や動物を使って、安全性や正確性などの試験を繰り返してきた。その結果、精度や所要時間は従来の手技と差はなく、医師の被曝量は0になった。

 医師はCTから離れた位置で、コンピューターの画面を見ながら6方向に動くロボットアームで針の位置を制御する。平木准教授によると、操作は容易で、電子ゲームになじんだ若い研修医は使い方ののみ込みが早い。また、手ぶれがないため、正確度は増すと期待できるという。

 今後2年かけて、年齢や病変の部位、大きさなどの条件を満たし、同意が得られた患者を対象に、臨床研究で有効性や安全性を確かめていく。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(中村通子)