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(3日、選抜高校野球 大阪桐蔭3―2三重)

 平成生まれで今大会最年少ながら、信念を感じさせる采配を振るった三重の小島紳(しん)監督(28)が王者・大阪桐蔭を追い詰めたが、勝利にあと一歩届かなかった。勝てば、71歳で大会最年長の智弁和歌山・高嶋仁監督との対決が待っていたが、かなわなかった。

 準決勝で大阪桐蔭に敗れた後、「子どもたちの成長に驚いた大会」と振り返った。4人の投手で勝ち上がってきたが、この日、先発に起用したのは初戦の2回戦で日大三を完封した定本拓真だった。

 「スタイルを変えず、強気に真っすぐで攻めていけ」。監督の思いは、定本に伝わる。腕を振り、勢いのある直球を投げ込んで大阪桐蔭の打線を抑え込んだ。

 「当初は大阪桐蔭に5点奪われても、7点取り返して勝てれば、という想定をしていた。こんな試合ができると想定していなかった。子どもたちの成長は早い」

 2012年春からのコーチ時代に、中村好治・前監督から手ほどきを受け、17年夏から現職。「中村先生の指導方針を引き継ぎつつ、野球の面では自由にさせてもらっている」と、思いついたことを積極的に試す。「野球につながっていない」と、ウェートトレーニングを廃止し、体幹トレーニングに切り替えた。「打力がある子の能力を生かしたい」と、「基本的にバントは無し」を戦術の柱に据える。

 新チーム結成後、走塁にこだわってきた。日大三戦では、序盤に相次いで走塁に失敗しながら、「大丈夫、どんどん走れ」と逆に鼓舞し、試合中盤から足を絡めた積極的な攻撃で8―0と快勝。大阪桐蔭との準決勝でも盗塁を絡めて先取点をとった。

 そんな小島監督が、準決勝ではバントのサインを出した。「どうしても1点が欲しかった」

 九回は投ゴロ併殺になるなど、いずれも得点にはつながらなかった。「かえって選手を弱気にさせてしまったかも知れない。反省点です」と振り返った。

 投手起用でも、定本のほか、背番号1で右横手投げの福田桃也(とうや)、制球力のいい右腕の山本大雅、左腕の吉井洸輔とタイプの違う4人をそろえ、順番に使っていった。「一度任せたら、なかなか代えない。信じて送り出しているから」。最初の2試合は完投、準々決勝の星稜戦では山本大、吉井の2人が失点を重ねたが、ぎりぎりまで我慢した。

 監督として初の甲子園で4強入りしたが、「満足はしていない」ときっぱり。「僕のミスで、勝てた試合に勝てなかった。まだまだ勉強が足りない。夏、同じことをやっていては勝てないと思う。また色んなことに挑み、成長する」と貪欲(どんよく)だ。(高岡佐也子

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