[PR]

 体内で強い酸性の胃液が作られる仕組みを、名古屋大の阿部一啓准教授(生化学)らの研究グループが明らかにした。胃酸過多などが原因で起きる胃潰瘍(かいよう)や逆流性食道炎などの新しい治療薬の開発に役立つと期待される。5日、英科学誌ネイチャーに発表する。

 胃液には強い塩酸が含まれ、胃袋に入った食べ物を分解しやすくしたり細菌の増殖を抑えたりする役割があるが、強い塩酸が作られる仕組みは謎だった。

 阿部さんらの研究グループは、胃壁の細胞表面にあり、水素イオンを細胞の外へ送り出す酵素「胃プロトンポンプ」に着目。この酵素の構造を詳しく解析した結果、水素イオンが細胞の外へ押し出されやすい特殊な構造を持つことが分かった。水素イオンが胃の中で増えると、胃酸の濃度が高まるという。

 阿部さんは「胃酸の分泌を抑える、より効果の高い薬の開発に向けて研究を進めたい」と話している。(西川迅)