「引き続き、私も強い関心を持って見守っていきたいと思います」

 皇太子さまがこう締めくくると、立ち見も出た会場からひときわ大きな拍手がわき起こり、しばらく鳴りやみませんでした。

 ブラジルの首都ブラジリアで開かれた「第8回世界水フォーラム」で、3月19日(日本時間20日)に皇太子さまが基調講演を終えた時の場面です。世界水フォーラムは3年に1度、水問題の解決に向けた議論や展示などを行う国際会議です。治水や利水など水問題の研究をライフワークにしている皇太子さまはフォーラムに出席するため、同月16~22日の日程でブラジルを訪問しました。学習院大学時代から水運などの研究に携わり、その後も公務の合間に水関連の施設に足を運ぶなどし、研究成果を国内外の講演で発表してきました。来年5月の即位を前に、研究活動を目的とした外国訪問は最後となる可能性もあってか、日本からも多くの報道陣が同行しました。注目を集めた基調講演の最後、今後の水問題への関わり方について決意を述べた冒頭の場面では、心なしか言葉に力がこもっていたように感じました。現地での様子を詳しく報告します。

 皇太子さまのブラジル訪問は、浩宮さま時代の1982年、皇太子さまになってからの2008年に続いて3回目です。くしくも今年は日本人がブラジルに移住してから110周年の節目の年。10年前の移住100周年の年にも同国を訪れている皇太子さまは滞在中、同行記者団の取材に「ブラジル国とのご縁を感じます」と心境を語りました。

 世界水フォーラムに皇太子さまが出席するのは9年ぶり4回目です。開会式の会場となったブラジリアのイタマラチ宮では、赤じゅうたんを歩いて登場した皇太子さまをブラジルのテメル大統領が迎え、笑顔で固い握手を交わしました。各国の元首級らのスピーチに続いて登壇した皇太子さまはおことばの中で、「水に関する歴史上の経験と知恵から学び、水に関する情報を共有し、水を保全し利用するために協力しなくてはなりません」と訴えました。また今回のフォーラムが、水と地球環境などとの密接な関わりを知り、過去の経験や良い事例を共有しながら協働して水問題を解決するための「素晴らしいきっかけとなるでしょう」と述べました。

 関係者によると、今回の基調講演にあたり、皇太子さまは多忙な公務の合間をぬって入念に準備を進めてきたそうです。東宮御所に専門家を招いて話を聞いたり、テーマに合わせて過去の研究内容をまとめたり。ブラジルへ向かう飛行機の中でも原稿に目を通し、講演前日に36年ぶりに再訪した「セラード農牧研究センター」の現状も盛り込むなど、直前まで推敲(すいこう)を重ねていました。

 基調講演は「水と災害」につい…

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