[PR]

しまっていこー 釜石

 この春、岩手・釜石の野球部は大事な人たちとの別れを経験した。小谷地太郎部長が盛岡三に異動。昨年からコーチを務めていた鈴木裕生副部長も盛岡農に赴任することになった。

 2人の離任が正式に発表された翌日の3月21日、今季初の練習試合があった。宮古商との2試合で、チームは2人に教わったことを発揮しようと奮闘した。1試合目は四死球や失策が続出して4―8で負けたが、2試合目は11―4で勝ちきった。

 試合後、選手間ミーティングで「意識を変えよう」という趣旨の発言が続いた。その様子に、小谷地部長は語気を強めて言った。「意識だけじゃなく、メニューを変えてくれ。君たちは、練習メニューを自分たちで決めている。だめだったら、次はどんな練習をすればいいか。それを決めて取り組めるのが、このチームの最大の強みだろう」

 2010年4月に釜石に赴任した小谷地部長は、多くの部員たちを育て、送り出してきた。岩手大会で早々に負けた世代、選抜大会に出場した世代――。今のチームは「自分たちで成長する力を持っているチーム。楽しみにしています」という。

 3年生たちの中には、1、2年次に小谷地部長が学級担任だった部員もいる。その中で特に縁があったのが、外野手の金浜両太郎。遠野市立上郷小の5、6年次で小谷地部長の妻が学級担任だった。

 「小谷地先生には勉強でも部活でも、たくさん教わった。いなくなるのは寂しい」。しょんぼりした様子もあった金浜だが、小谷地部長が赴任先でも野球部に携わると聞き表情が変わった。「大会で戦いたい。小谷地先生の想像をはるかにしのぐ力を付けて、絶対に勝ってみせます」(松沢憲司)

こんなニュースも