[PR]

 米国の国際ピアノコンクールで優勝したのは、20歳のとき。29歳になったピアニストの辻井伸行が、CDデビュー10周年を迎えた。「若い勢いで演奏していた10年前と比べて、少しずつ落ち着きが出てきた。味わい深く表現できるようになり、大人っぽさが出てきたのだと思う」と進化を感じている。

 辻井は生まれながらの全盲。2009年、日本人で初めてバン・クライバーン国際ピアノコンクールを制し、その名を国内外にとどろかせた。以来、精力的に演奏を重ね、チケットは完売続きで絶大な人気を誇る。クラシックの演奏家としては異例だ。

 「コンクールの優勝をきっかけに国内外で演奏する機会が得られ、あっという間に走り続けた充実の20代だった。30代はレパートリーを増やして自分の音楽に磨きをかけ、もっとコンサートに足を運んでもらえるピアニストになりたい」

 2歳のとき、おもちゃのピアノを弾きこなして周囲を驚かせた。母いつ子さんは音楽だけではなく、幼いころから辻井を美術館や花火大会へ連れ出し、色合いや雰囲気を言葉で説明して聞かせたという。「目が見えないからといって避けるのではなく、あえて経験させてくれたことに感謝している」。こうした体験が演奏家の感性にもつながっていると感じる。

 視覚障害者向けの点字楽譜は使わない。練習では、片手ずつのパートに分けた録音を聴き、すべて耳で覚える。曲をマスターするのに、「短い曲なら1日か2日。難易度にもよるが、協奏曲でも長くて2週間ぐらい」という。

 演奏家として大切にしているこ…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。

【10/13まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら