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 盛岡への赴任が決まった3月、訪れてみて驚いた。あちこちの道路でボコボコ穴が開いていたからだ。今年は厳しい寒さの影響で特に損傷がひどかったようだ。その原因を調べてみた。

 美しい景色を一望できることで有名な岩山公園(盛岡市新庄)に至る市道。舗装工事をしていたので声をかけると「今年は大忙しだ。これほど穴が多いのは、近年では珍しいよ」と現場監督の関本佳広さん(61)。20メートルほどの間に深さ5センチほどの大小さまざまな穴がある。アスファルトが削られ、めくれたようになっていた。

 例年、冬になると道路に穴が開くことがあるが、今年は特に傷みが激しかったようだ。盛岡市道路管理課によると、損傷はこれまでは年間1千カ所ほどだが、今年は既に4800カ所を補修した。あまりに数が多く、3月市議会で道路の維持・補修費として3500万円の補正予算を組む「異例の対応」をした。

 道路の損傷による車への影響も大きい。パンクや交通事故の市への届け出は、苦情を含め2月と3月に200件余りあり、例年の10倍に上るという。

原因は「凍上現象」

 なぜ、5倍もの損傷があったのか。県道路環境課によると、アスファルトは固まる際に細かい隙間ができる。そこに水分が入り込み凍ると、膨張して路面が隆起する。この「凍上現象」で道路がもろくなるため、車が走るたびに傷つき穴が開く。同課によると、寒くて雪が降るほど穴が開きやすく、今年は盛岡以外も損傷が激しいという。

 実際、この冬は寒かった。盛岡地方気象台によると、2月の平均気温は零下2・7度で平年より1・5度低い。降雪は92センチと平年の1・24倍だった。

 寒さや氷に強い素材で道路をつくれないのだろうか。寒地土木研究所(札幌市)の丸山記美雄・上席研究員によると、アスファルトに入れる成分を変えることで、入り込む水の量を減らしたり、ひびを防いだりできるという。

 一方、そうすることで夏場は、わだちのようにへこんでしまうこともある。丸山さんは「デメリットもあるしコストもかかる。抜本的な解決は今すぐにはなく、各自治体が判断しているのが現状」と話す。(大西英正)