拡大する写真・図版 始球式に登場した陸上の桐生祥秀選手=金居達朗撮影

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 陸上男子100メートルで日本選手初の9秒台を出した桐生祥秀(22=日本生命)が6日、阪神―中日戦(京セラD)で始球式を務めた。背番号100の阪神のユニホーム姿で登場し、豪快なフォームで捕手に投げ込んだ。「暴投じゃなくて、キャッチャーのところに行ったので良かったです。あの舞台に立つことは陸上選手ではあり得ないので。楽しかったです」と話した。

 背番号100は自らの発案だった。三つの意味があるという。本職の100メートルと、球速100キロを出したいという願いと、「また10秒0を切りたい」という今季の目標も重ねた。周囲からは、昨年9月にマークした日本記録の9秒98にひっかけて「998」も提案されたが、「去年の記録だし、嫌だなと。あのタイムを刻むのは自分の中でなかった」と未来を見据えた。ちなみにこの日、球速は表示されなかった。

 阪神の金本監督には特別な思いがあるという。5年前、大阪市内であった関西スポーツ賞の表彰式で対面した。当時は京都・洛南高の3年生で、丸刈りに近い髪形だった。「どうしたら緊張しなくなりますか」と聞くと、「慣れよ、慣れ」と助言された。この日、その時以来の対面はかなわなかったが、「あの時の言葉は覚えています。金本さんが、僕のことを覚えていてくれたらうれしいですね。髪が伸びて、帰ってきましたよと言いたい」と笑った。

 今季の初戦は5月3日の静岡国際陸上の200メートルの予定。6月の日本選手権(山口)の100メートルで優勝を狙い、8月のアジア大会(インドネシア・ジャカルタ)の代表入りをめざす。(伊藤雅哉