鳥取)明治維新は薩長因備 シンポで語る

斉藤智子
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 明治維新で活躍した雄藩として「薩長土肥」が挙げられているが、「薩長因備」(薩摩、長州、因幡、備前)こそ戊辰戦争での新政府勝利の立役者だ――。県内でもあまり知られていない幕末の鳥取藩(因幡)の活躍に光をあてようと、シンポジウム「明治維新大激論!!」が8日、県立博物館(鳥取市)で開かれた。

 NHK大河ドラマ「西郷どん」の時代考証を担当する志學館大教授の原口泉さん(71)と西郷隆盛のひ孫の西郷隆夫さん(53)らがパネリストとして参加。維新150年を機に、元県立図書館長で幕末の鳥取藩をテーマに映画を撮っている森本良和さん(60)が会長を務める地元の歴史愛好家グループ「鳥取歴史振興会」が企画した。

 原口教授は基調講演で、北栄町にあった六尾反射炉にふれて「日本が危ない時、大きな鉄製の大砲をつくるための反射炉を真っ先につくった藩の一つ」と評価。さらに、戊辰戦争の緒戦「鳥羽・伏見の戦い」で鳥取藩が激戦地で強力に戦ったこと、鳥取、岡山の両藩が味方したことに感動した大久保利通が「備前因州官軍ニ相違無御座候」と書き残した書状などを挙げ、「『薩長土肥』は藩閥政府になってつくられた言葉。新政府勝利の担い手は薩長因備」と語った。

 鳥取市歴史博物館が入手して先月まで初公開していた、西郷隆盛が戊辰戦争直前に鳥取藩の動向を探ろうと岡山藩家老に宛てた書状も改めて紹介された。西郷さんは曽祖父の隆盛について「人脈づくりのプロだと思う」と評して、岡山藩、鳥取藩を動かして味方につけるため、心を揺さぶる書状を書いたという見方を語った。(斉藤智子)