聞き手・土居新平
シャイで、厳しくて、でも人を楽しませるのが好き。海外を駆け回る営業マンだった父は、そんな人柄でした。
よく怒られた思い出があります。18歳のころ門限を破って帰ると家の前で仁王立ちで待っていました。遠くからでも怒りの炎が見える気がしたくらい怖かった。家で長電話をしていると電話線を抜かれ、それでもやめないと電話線を切られちゃう。でもひょうきんな一面もあって、いとこの家に「校長です」と名乗って電話をかけ、大騒ぎになったこともありました。
父が亡くなったのは、私が21歳の時です。4月14日、49歳でした。会食中に倒れ、1週間後に息を引き取りました。働き盛りで、そのころは最後の頑張り時だったようです。私は倒れた日の夕方、「きょう夕飯はいらないよ」という最後の電話を受けました。夜、会食のお相手から連絡を頂いたのも私です。
「私が父を死なせたんだ」と思…
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