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 男子ゴルフの松山英樹はけがの痛みに耐えながら、今季メジャー初戦のマスターズ・トーナメント(米ジョージア州のオーガスタ・ナショナルGC=パー72)を戦った。8日の最終ラウンドは4バーディー、1ボギーで通算3アンダーとスコアを伸ばし、日本勢最上位の19位。それでも、決して満足しなかった。

 18番で松山の第1打はフェアウェー右の林の中へ。木の間から狙った第2打は、枝に当たってグリーンの手前に落ちた。しかし、そこからピンまで60センチにつける絶妙のアプローチ。パーで切り抜け、今大会初めての60台のスコアを守った。クラブハウスへの花道を歩く松山の表情から、緊張が抜けていった。

 「よくがんばった。けがをしている中でも、できることはやった」。淡々としていたが、言葉が進むうちに笑顔になっていった。

 大会前の準備がうまくいかなかったという。第3ラウンドがスタートした頃には、3月まで1カ月半の公式戦欠場を強いられた左手親指のけがが痛み出した。

 その前日、ホールアウトしたときには「練習せずに帰る」と言っていたのに、結局は練習場へ向かっていた。昨秋から続く技術的な試行錯誤と、けがを再発させない負荷の加減が、うまくいっていない。

 「休めば痛みはなくなるが、どういう練習なら痛みがでないのかが、まだよくわからない。小手先のゴルフでなんとかなっているが、もっとしっかりした自分のゴルフを作らないと、ここでは勝てない」

 優勝争いに沸くクラブハウス前の9番グリーンを見ながら松山は言った。「今頃クラブハウスに帰ってきているようでは、満足はできない」(オーガスタ=忠鉢信一)