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 大相撲の横綱白鵬が10日、春巡業の開催地である長野県伊那市で、前日亡くなった父ジジド・ムンフバトさん(享年76)への思いを語った。「父親として、一人の人間として、私が言うのもあれですけど、よく頑張ったと思います」。モンゴルでの葬儀に出席するため、巡業を11日から離脱する。

 「ひとつ心残りになりました」と語るのは、2020年東京五輪を父子で迎えられなかったことだ。

 ムンフバトさんは、1964年東京五輪にレスリングの選手として出場している。白鵬は20年五輪の開会式で土俵入りが行われることを願い、父と同じ五輪の舞台に立つことを夢見ていた。「宿命っていうか、縁を感じてましたけど。できたら土俵入りを見せたかった」

 前日に訃報(ふほう)に接しながら、この日巡業で土俵入りを務めた。「自分の与えられた仕事というか、それを全うするだけ」と白鵬。父は大きな存在だったかと問われると、「親を超える子どもはいないと思うね。一つ一つ思い出しながら、心に刻みたいね」と語った。

 ムンフバトさんは、68年メキシコ五輪でモンゴル人として初の銀メダルを獲得するなど国民的な英雄となった。