[PR]

 「首相案件」とはいったい――。学校法人「加計学園」による獣医学部新設計画をめぐり、柳瀬唯夫首相秘書官(当時)のこうした発言が、愛媛県が作成した面会内容を記録した文書に記されていたことが明らかになった。森友問題の文書改ざん、自衛隊の日報問題に続く、新たな事実の発覚に、政権側は困惑の色を隠せない。

 森友問題の文書改ざん、自衛隊の日報問題に続く、新たな事実の発覚に、政権側は困惑の色を隠せない。危機感を強める自民党からは、柳瀬氏の国会招致を容認する声も出始めた。

 菅義偉官房長官は10日夕の記者会見で、柳瀬氏と学園や愛媛県の関係者らとの面会について「国会の場で柳瀬元秘書官が答弁している。本日もコメントを出しているので、それに尽きる」と述べた。獣医学部新設の認可は「適切だったとの認識に変わりはない」とも強調した。

 しかし今回の記録文書に真っ向から反論することはせず、内閣府や文科省など関係した4府省に今回の文書が残っているか速やかな確認を指示した。昨年、菅氏が朝日新聞が報じた、加計学園の獣医学部新設に関連した文書を「怪文書」と言い切った対応とは様変わりしている。

 自民党の二階俊博幹事長はこの日の記者会見で、「国民もうんざりしていると思うが、我々もうんざりしている」といら立ちをあらわにした。自民党幹部は「問題は収束せず、ずっと続く」と頭を抱える。

 野党6党は柳瀬氏と当時の内閣府地方創生推進室次長だった藤原豊氏の証人喚問を求めることで一致。11日に安倍晋三首相ら全閣僚が出席して衆院予算委員会で行われる公文書管理問題の集中審議を手始めに追及する方針。共産党の小池晃書記局長は記者団に「首相の進退に関わる重大な疑惑」とし、立憲民主党の辻元清美国対委員長は「首相主導だった疑いが濃厚になった。官邸は『疑惑の館』になった」と記者団に語った。

 事態収拾を急ぎたい与党側は柳瀬氏の国会招致を検討。自民党執行部の一人は「(柳瀬氏を国会に)呼ばざるを得ない」と明言した。