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 家裁調査官の論文で取り上げられた男性が、プライバシーを侵害されたとして国に500万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京高裁が家裁側の責任を認め、30万円の賠償を命じていたことが分かった。判決は3月22日付。国は判決を不服として上告した。

 判決によると、男性は当時未成年で、東京家裁の調査官が担当。調査官は大阪家裁に異動後、男性の家庭環境などの内容を含む論文を専門誌で公表した。

 一審・東京地裁は男性側の請求を棄却した。しかし、高裁の白石史子裁判長は「(男性の)家庭環境を知る者にとっては、特定することが可能」として、プライバシーの侵害を認めた。そのうえで、論文公表時の勤務先だった大阪家裁は公表の取りやめや内容の修正を指導する義務があったのに怠ったとして、国に賠償の責任があると結論づけた。(北沢拓也)