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 精密機器の製造に欠かせないレアアースの世界需要の数百年分が、東京・小笠原諸島の南鳥島周辺の海底にあることが、早稲田大や東京大などのチームの調査でわかった。効率よく回収する技術の開発も進めており、将来的に安く調達できると期待されている。

 レアアースがあるのは、本州の南東約2千キロにある南鳥島のさらに南約250キロの深さ約5700メートルの海底。一帯は日本の排他的経済水域内にあたる。

 チームは2013年にこの一帯にある海底の泥から高濃度のレアアースを見つけている。今回どのくらいの量があるか、海洋研究開発機構の調査船で周辺の約2500平方キロの範囲で計25本の穴を掘って調べた。

 その結果、ハイブリッド自動車のモーターなどに使われているジスプロシウムで世界需要の約730年分、テルビウムが約420年分など、レアアースが計1600万トン超あると推計した。

 また、泥の中でリン酸カルシウムの粒にレアアースが濃縮されやすいことを見つけた。遠心分離の技術を使い2・6倍濃縮して回収する方法を開発し、地上の実験で効果を確認した。海上にくみ上げる泥の量を減らし、採掘の費用を大幅に減らせるという。今後、海中での効果を確認するなど実用化をめざす。

 東京大の加藤泰浩教授(地球資源学)は「レアアースが豊富に存在することが裏付けられた。費用を減らす可能性も示せたことで資源開発に近づけたのではないか」と話す。研究成果は英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。(竹野内崇宏)