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 滋賀県彦根市内の交番で撃たれたとみられる男性巡査部長が死亡した事件。県警は、行方がわからなくなった同僚の男性巡査(19)の身柄を確保した。普段は静かな住宅街の「見守り役」に何があったのか――。付近の住民の間には、驚きと不安が広がった。

 河瀬駅前交番は、JR東海道線(琵琶湖線)の駅前のロータリーの一角にある。周辺は静かな住宅街。11日夜は滋賀県警によって交番の前に黄色い規制線が張られ、物々しい雰囲気に包まれた。

 交番から20メートルほどの民家に住んでいる男性は「銃撃の音とかは、まったく気づかなかった」と語った。事件の発生を知ったのは、テレビのニュースだったという。「今は規制線が張られていて交番の中は何も見えない。警官が銃で撃たれたと聞いて驚いた。いつもは平穏な交番なのに、一体何があったのか」と話した。

 男性の妻は事件の後、付近にいた警察官に尋ねたが、「何も言えない」と告げられたという。「まさか発砲が起きたとは思わなかった。こんなに目と鼻の先で事件があったと聞いて怖くなった」と話した。

 100メートルほど離れた場所に住む別の男性も「発砲音とかはまったく聞こえなかった。救急車のサイレンが聞こえたので何かあったのかとは思ったが、事件とは分からなかった」。警察官が撃たれたと知り、「信じられない。早く犯人が捕まってほしい」と話した。

 「交番のおまわりさんが見回りに来てくれたことがあって、親しみを感じていた」と、近くの主婦は語った。駅前は朝夕こそ送迎の車が多くなるが、普段は静かだという。「この辺で事件なんて初めてで驚いています」。この主婦も事件には全く気づかず、ニュースで見た知人らが心配して電話してくれたことで知ったという。

 彦根市は11日午後11時半ごろ、市のホームページや市民向けの防犯メールで、「彦根署員が銃で撃たれて死亡し、犯人はまだ捕まっておらず警察で行方を追っています」と発信。市民に「不要な外出を避け、なるべく屋内にいるようにお願いします」と求めた。また、「駐車中の車や建物の陰に身を隠すようにしている不審な人をみれば110番してください」と呼びかけている。

 パトカーが発見された愛荘町でも住民らは不安な夜を過ごした。付近の住宅街の一角に数人の警察官が立ち、住民の出入りを規制。住民は時折、自宅の窓を開けて様子を見守っていた。

警察官らへの主な発砲事件(肩書は当時)

1995年3月 警察庁の国松孝次長官が東京都内の自宅マンション前で撃たれ重傷

     8月 京都市内で山口組系組員が会津小鉄系組事務所を襲撃。付近で警戒中の京都府警下鴨署員が組員と間違えられ射殺される

     11月 横浜市内の路上で神奈川県警伊勢原署員が撃たれ、けが

2001年4月 宇都宮市内のタクシー事務所で男が発砲し、宇都宮中央署巡査部長が死亡

   07年9月 横浜市内で家宅捜索しようとした警視庁警部補が暴力団幹部に銃撃され、けが

   10年6月 千葉県警松戸署の巡査部長が署内で事情聴取中に男に拳銃を奪われ、左足を撃たれ、重傷

   14年5月 愛知県知立市の団地内で、事情を聴こうとした男に拳銃を奪われた安城署員が右腕を撃たれる