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 シリアでの化学兵器使用疑惑を巡り、米国のマティス国防長官は11日、「我々はまだ情報を同盟国と分析中だ。まだこれに取り組んでいる」と述べ、アサド政権が使用したとの断定を避けた。国防総省で記者団に語った。

 マティス氏はまた、シリアへの軍事行動について、「軍事的な選択肢の準備はできている」として、臨戦態勢にあることを示唆した。

 一方、ホワイトハウスのサンダース報道官は11日、「たくさんの選択肢があり、最終決定はなされていない」と強調した。トランプ大統領は11日朝、ツイッターでミサイル攻撃に触れ、「ロシア、準備しろ。(ミサイルが)来るぞ。(ミサイルは)ナイスな新型で『賢い!』」と書き込んだが、サンダース氏はミサイル攻撃は決定されたものではなく、「全ての選択肢はまだテーブルの上だ」と繰り返した。

 サンダース氏はさらに、「大統領は情報に基づき、シリアとロシアに化学兵器攻撃の責任があると考えている」と指摘。アサド政権が化学兵器を使用したと主張したうえで、それを止められなかった同政権の後ろ盾であるロシアにも責任があるとした。

 トランプ氏が9日に「48時間以内に重大な決定をする」と宣言した「期限」は過ぎた。サンダース氏は「大統領はタイムテーブルを設定していない」とし、決定の期限は区切っていないとした。(ワシントン=杉山正)

英国も緊急閣議へ

 シリアでの化学兵器使用疑惑をめぐり、英国のメイ首相は12日に緊急閣議を開いて対応を協議する。軍事行動には議会の承認を得るのが慣例だが、閣議で承認が得られれば、議会にはからず米国などの空爆に加わる可能性が高まってきた。

 メイ首相は11日、訪問先のバーミンガムで英メディアに「すべての兆候がシリア政権に責任があることを示しており、責任のある者に確実に責任をとらせるため、最も緊密な同盟国と連携する。化学兵器の継続的な使用がまかり通ってはならない」と語った。アサド政権の責任との断定には慎重だった前日までの言いぶりから踏み込んだ。

 英紙テレグラフは12日、メイ首相が、同日夜にも始まる空爆に備えて、シリアをミサイルの射程に収めるよう英潜水艦の移動を命じたと報じた。「何か行動するとすれば(英議会が再開する)月曜より前だ。(軍事攻撃について)議論が始まれば何をするのも難しくなる」との政府関係者の話も伝えている。

 アサド政権に対する軍事行動をめぐっては、英国内の意見は割れていた。ただ、英国はロシア元スパイ殺人未遂事件をめぐり、米仏にはロシア外交官追放に同調してもらったばかり。米仏が英国抜きでの軍事攻撃に踏み切れば、英国の欧州連合(EU)離脱後の欧州のリーダーは英国ではなくフランスだと印象づける。与党保守党内には、議会承認なしで共同軍事行動に参加すべきだとの強硬論も根強かった。(ロンドン=下司佳代子)

ボリビア、国連議長国に会合要請

 軍事攻撃を警告するトランプ米大統領のツイッター発信などを受け、国連安全保障理事会の非常任理事国ボリビアは11日、対応を話し合うため会合の開催を議長国に要請、会合は12日に非公開で開かれることになった。

 ボリビアのジョレンティ国連大使は記者団に「シリアを巡るレトリックの激化と一方的な軍事行動の脅しについての会合を求めた」と述べた。「トランプ氏のツイートを受けてか?」との記者団の質問には「その通りだが、それだけでなく脅しは一貫している。いかなる単独行動も国連憲章の原則に反するだろう。懸念している」と答えた。

 トランプ氏は11日朝、「ロシアはシリアに撃ち込まれる全ミサイルを撃ち落とすと言っている。ロシア、準備しろ。(ミサイルが)来るぞ。(ミサイルは)ナイスな新型で『賢い!』」とツイッターで発信していた。(ニューヨーク=金成隆一)