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 ノーベル文学賞を選考するスウェーデン・アカデミーのサラ・ダニウス事務局長が12日、辞意を表明した。アカデミーをめぐっては、アカデミーのメンバーを妻に持ち自身もアカデミーに近い文化界の重鎮の男性にレイプ疑惑が浮上。この妻も辞めることになった。疑惑への対応をめぐる対立で既に3人が辞意を表明しており、アカデミーの存続自体を揺るがす事態になっている。

 ロイター通信によると、ダニウス氏は、自身の辞任がアカデミーの要請によるものだとしたうえで「(一連の)問題はすでにノーベル賞に深刻な影響を与えている」と訴えた。

 アカデミーをめぐっては地元大手紙が昨年11月、アカデミーから資金提供を受けて文化施設を運営していた男性から、レイプされたり暴行されたりしたという女性18人の訴えを掲載。この男性が文学賞の発表前に受賞者を把握し外部に漏らしていた疑いも浮上し、アカデミーが調査してきた。

 地元メディアによると、アカデミーは先週の会合での投票で男性の妻の留任を決定。これに抗議するメンバー3人が辞意を表明した。3人はダニウス氏に近かったが、アカデミー内の多数派は疑惑への対応に消極的とされる。アカデミーのメンバーは18人。終身制のため、辞意表明の取り扱いは不透明だが、以前から空席だった2人と合わせて事実上7人が欠ける事態となった。

 アカデミーの存続を揺るがす事態に憂慮が広がる。スウェーデンのカール16世グスタフ国王は11日、メンバー3人の辞任は「非常に残念」で、アカデミーの活動を「深刻に傷つける恐れがある」と発言。ノーベル財団も同日「ノーベル賞の評判を汚す恐れがある」と非難する声明を出した。(オスロ=下司佳代子)

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