生後4日で旅立った娘・里桜 花びらで帰ってきたのかも
山下知子
春が来ると、福岡県春日市の札本景子さん(40)は桜の押し花をつくる。
3月25日、満開の桜の木の下で、道ばたに落ちた花を一つ、また一つ拾い上げた。きれいな花を選んで、15個。ティッシュの上に一つずつ並べ、その上にもう1枚、ティッシュをかぶせ、雑誌に挟んでおく。
花をもらう木は決まっている。
福岡市南区の介護施設「デイケアみなみ桜」の入り口そばのソメイヨシノ。10年ほど前、近所に住んでいた。その木を、札本さんは「りぃちゃんの桜」と呼ぶ。
りぃちゃんは、長女の里桜(りお)さんのこと。2009年4月3日に生まれた。
生まれる時、りぃちゃんは羊…