[PR]

 千葉県白井市の山崎正夫さん(65)が維持費に困って引き取り手を探していた自宅庭の蒸気機関車(SL)が、茨城県の観光施設に引き取られることになった。夏にも1千万円かけて三つに分割されて運ばれるという。山崎さんは「ほっとしたような寂しいような複雑な気持ち」と話している。

 SLは「デゴイチ」の愛称を持つ「D51 1116号」。SLファンだった亡き義父が40年以上前に購入し、北海道からトレーラーなどで運んで庭に設置した。購入費用を含めて2500万円ほどかかったという。その後、計700万円ほどかけて2度塗装し直すなど手をかけてきたが、山崎さんは「これ以上は費用をかけられない」と手放すことを決断。メディアなどを通じて「庭を更地にする費用なども負担してくれれば無料で譲る」と呼びかけていた。

 反響は大きく、昨秋から数件の申し出があり、最終的に多額の輸送費用などを負担できる茨城県筑西市の企業に決まった。ゴルフ場や農園、バーベキュー場、美術館などを集めた観光施設を経営しており、すでにある寝台特急「北斗星」の機関車や寝台車などの9車両と一緒にSLを展示するという。

 移設は大がかりなものになりそうだ。同社から輸送を請け負った「アチハ」(大阪市)の島正男・鉄道事業部長(71)によると、分割・輸送の費用は約1千万円。庭に設けられているプラットホームや線路などを撤去して更地にするのに数百万円。筑西市で設置する費用も加えると総額2千万円近くになるという。

 SLは重さが100トン近くあり、このままでは運べないため、本体から石炭と水を積む炭水車を切り離し、本体はボイラー部と動輪部の上下に分割する。島さんらは4月11~13日に、各部を点検して油をさすなどの下準備をした。

 輸送日当日は、2台のクレーンで大型トレーラー3台に積み込み、交通量の少ない真夜中に運ぶという。(三国治)