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 池田武邦という建築家をご存じだろうか。高度成長期を象徴する霞が関ビルや新宿三井ビルなど初期の超高層ビルを設計した。やがて池田は、戦後日本の復興のためと追求した理想の人工環境が、逆に長く居る人間へのストレス源だと気づき、自然や文化にとけ込む設計をするようになる。干潟を潰しながら工場誘致に失敗した土地を、自然循環型インフラを敷いて再生した長崎県のハウステンボスの計画にもかかわった。

 バブル経済もとうに終わった今日、多くの自治体も企業も、池田の気づきと同様のことに思い至り、地元の人たちが住み続けたく思える、その土地ならではの歴史・文化や自然を活用した地域活性化事業を進める。

 ところが先月23日に福井経済同友会が、わが町、越前市の市長に、それと真逆の提言をした。23年開業予定の北陸新幹線南越駅(仮称)周辺に、IR、すなわちカジノを含む統合型リゾート施設を誘致せよ、という。

 提言は、丹南地域の伝統工芸や食の魅力をアピールでき、県内はもとより関西・中部の観光拠点としてインバウンドも取り込め、にぎわいが創出できるとする。

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