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 病気や障害に合わせた住まいの改修もおしゃれにかっこよくしたい――。そんな願いをかなえるため、住宅を快適にするための指南書を、理学療法士らリハビリテーションの専門家が作った。住宅改修の事例や生活の工夫が多く掲載され、体の障害と共に望む暮らしを実現するための参考にしてほしいという。

 脳梗塞(のうこうそく)の後遺症や、難病の発症などで、体にまひが残ったり、動きが制限されるようになったりすることがある。その場合、自宅の廊下に手すりを付け、車いすでも過ごせるように段差を解消するなど、住宅の改修が必要だ。しかし、これまでは機能面が重視され、デザイン性や居心地の良さは後回しになりがちだったという。

 本を発案したのは、名古屋市で介護保険事業や、医療スタッフ向けの講習会を企画・運営する株式会社「gene」を経営する理学療法士の張本浩平さん。「住宅改修の選択肢の少なさが問題だった。自分たちも住みたいと思うものが載った今までにない本を作りたかった」と話す。

 インテリアや住宅に関する知識を持つ医療の専門家に声をかけ、約2年かけて今年1月、出版にこぎ着けた。専門書だが、患者やその家族も手に取りやすいよう、全ページをカラーに。写真や図を多く盛り込み、実際に住宅改修などをした10代から80代まで幅広い世代の例を取りあげた。

 例えば、車いす生活の娘の成長に合わせて、奥行きが長いトイレを改修したケースを掲載。大人用の車いすが入ると横幅がいっぱいになり、介助がやりにくかったため、洗面所にあった洗濯機と入れ替えたことが写真付きでわかりやすく説明されている。安全性を確保し、介助者の負担も軽くなったという。

 監修者の一人、甲府市の作業療法士で建築士の久保田好正さんは「段差を無くして手すりを付けるだけでは生活の多様性に対応できない。どういう風に暮らしたいかが重要」と指摘する。

 大規模な改修事例だけではない。無機質な金属製の点滴ホルダーを使わず、インテリアに溶け込むよう木製のコートハンガーを使ってホルダーの代わりにするなど工夫を重ねて暮らす親子の自宅を紹介。転落事故で車いす生活になった男性が、畑仕事や民宿の経営、イノシシの解体までできるような様子も掲載した。家族で知恵を絞り「望む暮らしをあきらめない」(張本さん)姿だという。

 監修者の一人、熊本市の理学療法士でインテリアコーディネーターの池田由里子さんは「美しさやワクワク感のある居心地のいい住まいは、生きる活力を生む。内装の雰囲気もリハビリテーションにつながる」と話している。

 「REHABILITATION LIFE」は、175ページ、4968円(税込み)。問い合わせはgene(052・325・6611)まで。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(月舘彩子)