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 我々が使うインターネットは、目には見えないもう一つの「ネットワーク」でできている……。今回はそんな話をします。「コンテンツ・デリバリー・ネットワーク」、通称「CDN」という単語を聞いたことはないでしょうか。現在のインターネットは、このCDNなしには成立しません。4Kでの超高画質映像配信も、ゲームの配信も、大規模ショッピングサイトも、そして違法コピーサイトですら、CDNと大きく関わっています。そして、セキュリティー対策にも必要なものになっています。普段の生活からは見えない、しかし現代のインターネットを構成する極めて重要な要素であるCDN。少し難しい話もありますが、かいつまんで説明していきます。(ライター・西田宗千佳)

世界最大の映像配信を支える仕組みとは

 今や映像の世界はネット配信を中心に回っています。4Kテレビも、放送よりも先にネット配信を見るために普及しているという部分があります。

 現在のネット配信は高画質化しており、4Kの最高画質の映像の場合、1時間分で最大7ギガバイトものデータをやりとりしています。家庭にも光回線が普及し、自宅への回線速度という意味では、十分カバーできるようになっています。しかし冷静に考えると、これはなかなか大変なことです。

 映像を見ているのは自分だけではありません。世界最大の映像配信事業者であるネットフリックスの場合、全世界で1億1700万人の利用者がいて、のべ時間にすると1日に1600万年分の映像を配信していると言います。全てが最高画質(1時間で7ギガバイト)ではないでしょうが、そのデータ量は膨大なものです。2016年ごろには、アメリカのプライムタイム(夜のテレビ視聴量が最も多くなる時間)のインターネット通信量のうち、全ての下りインターネット通信量の4割弱がネットフリックスのものだったといいます。

 こんなに利用されていると、本来なら回線がいくらあっても足りないはずです。人気のサービスが混み合ってアクセスが遅くなった……という経験は誰にでもあるはず。動画配信がここまで増えると、インターネット中が動画の転送で一杯になってしまいそうに思えます。日本人が日本国内の映像配信サービスにアクセスするなら、まだ想像がつきます。しかし、ネットフリックスのように世界中で使われているアメリカのサービスの場合、海を越えて世界中に映像を送らなければいけないように思えます。

 ところがです。ネットフリックスで配信技術開発を担当するケン・フローレンス氏は、意外なことを口にします。

 「実は、配信される映像のうち、インターネットの上を実際に流れているのは、ネットフリックス契約者が見ている全ての映像のうち、数%に過ぎない」というのです。

 そこにはもちろん秘密があります。

 ネットフリックスは、全世界の…

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