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 細菌感染にしか効かないはずの抗生物質でウイルスへの抵抗性アップ――。米エール大学の岩崎明子教授らがマウスで実験したところ、こんな結果が出た。英科学誌ネイチャーマイクロバイオロジーに発表した。

 研究チームは、大腸菌などによる感染症に効くアミノグリコシド系抗生物質をマウスの鼻などに滴下した。免疫系の「見張り役」である樹状細胞が、ウイルス全般への抵抗性を高める情報伝達物質インターフェロンを出すことを確認。インフルエンザやヘルペスなどのウイルスへの抵抗性が短期的に高まったという。

 詳しいメカニズムは分かっていないが、アミノグリコシドにより、樹状細胞でウイルスなどのRNA(リボ核酸)の認識センサーとして働く「TLR3」が活性化したとみられるという。

 抗生物質を誤って多用すると薬が効かない「耐性菌」を増やす恐れもあるが、岩崎教授らは、今回新たに発見した作用を応用することで、ウイルスへの抵抗性を高める新たな物質の開発につながるのではないかと期待している。<アピタル:ニュース・フォーカス・科学>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(水戸部六美)