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 沖縄県石垣島の白保竿根田原(しらほさおねたばる)洞穴遺跡(石垣市)で見つかった旧石器時代人骨(約2万7千年前)の生前の顔がデジタル復元され、南方系の人々の顔つきに近いことがわかった。県立埋蔵文化財センターが20日、発表した。「復元された国内最古の顔」といい、日本人の祖先がどんな姿で、どこからやってきたか、を解き明かす手がかりとなる。

 同センターや国立科学博物館、複数の専門家でつくる研究グループは、頭骨が残る4体をX線CT撮影し、そのデジタルデータをもとに頭部を復元。このうち、30代から40歳前後の男性とみられる4号人骨について3次元プリンターで骨格をつくり、肉付け作業をした。

 その結果、鼻の付け根が落ち込む彫りの深い顔立ちが現れ、中国南部や東南アジアの古人骨や、のちの縄文時代人と似ることが確認できた。河野礼子・慶応大准教授(自然人類学)は「デジタルデータで手に取って見えるような形にでき、学問的にも重要な手がかりとなる」と話す。

 アフリカを出発した現生人類が日本列島に到達したのは4万年ほど前といわれる。日本人の起源をめぐり、もともと南方系の形質を持つ人々だったとの有力な説がある一方で、遺伝子の分析などから北方系とみる説もあり、議論が続く。流入経路も、対馬海峡や樺太経由、南西諸島伝いなど複数のルートが出されている。

 旧石器人骨は全国でも10例ほどしかなく、ほとんどは土壌が保存に適する沖縄県での出土。同遺跡ではこれまで、少なくとも19体分が見つかっている。

 復元された顔の模型は20日、国立科学博物館(東京)での企画展で展示が始まった。6月17日まで。(編集委員・中村俊介

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 〈白保竿根田原洞穴遺跡〉 石垣島の新空港建設にともなって発見され、人骨千点余りが出土した。旧石器時代の骨は少なくとも19体にのぼり、世界屈指の規模。学術的な価値の高い全身骨格もある。出土状況から墓域とみられ、当時住んでいた人の姿形、食料や暮らしぶり、葬送儀礼など多角的で総合的な研究が進められている。