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 中国で無料通信アプリ「微信(ウィーチャット)」を展開する騰訊(テンセント)はアジア最大級のIT企業だ。来日した海外部門担当幹部のベニー・ホー氏(36)が19日に朝日新聞の取材に応じ、「日本企業の中国人向けビジネスに貢献できる」と語った。

 ――騰訊の競合他社と比べた強みは何ですか。

 「いま、中国の人口約14億人の53%がインターネットを使い、うち78%はスマートフォン経由。そのネット接触時間の55%を我々が占めている。微信だけで月に10億人が使っているという規模が他社と大きく違う。決済やオンラインゲーム、ニュースサイトなど、微信以外の多くのサービスでも中国でシェアトップを占めている」

 ――今回の来日は、中国の消費者向けビジネスを強化したい日本企業へのサービスの売り込みが狙いだそうですね。

 「騰訊が日本企業へのアプローチを強化したのはここ1年ほど。中国の消費者向けに広告を出そうと考えている日本企業に、微信やQQといった我々のサービスを提供できる機会が大いにある」

 「中国の経済成長はすさまじく、豊かな層はますます増える。2016年には中国から1億3千万人が海外へ出かけたが、21年には2億人になるだろう。訪日客も640万人から1100万人に増え、その消費額も約1兆5千億円から約2兆5千億円に、それぞれ増えるだろう。これらの市場は、日本のすべての地域、企業にとって魅力的だ」

 ――地方や中小企業にもチャンスはありますか。

 「中国人の日本旅行の目的は、昔は観光スポットを訪れて写真を撮ることだったが、今は体験とショッピングに変わってきている。例えば北海道に行くなら、温泉に入ったり旅館に泊まったりといった体験がしたい。特産品の買い物もしたい。大都市の大きな企業だけではなく、地方の中小企業にも中国人向けビジネスを展開できる機会は大いにある」

 ――微信については、中国政府による検閲の可能性といったプライバシー面での懸念があります。

 「中国に限らず、国ごとに法律がある。我々としては各国の法律に従うことを重要視している」

 ――ヤフージャパンや楽天といった日本のIT企業と競合しませんか。

 「彼らが騰訊をどうみているかは分からないが、我々は日本企業が中国の消費者にアクセスするのを手助けしたい。例えば楽天なら彼らの海外展開の一環として、中国の消費者にも楽天のサービスを使ってほしいと考えているはず。その際にパートナーとして組むことは可能だ。我々にとって日本は最も重要な市場の一つだ。さまざまなパートナーと協力したいと考えている」

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 〈騰訊(テンセント)〉 1998年に中国で創業し、2004年に香港証券取引所へ上場した。微信(ウィーチャット)やスマートフォンの決済アプリ「ウィーチャットペイ」、SNS「QQ」、音楽・動画の配信などを展開している。11年には日本法人も設立。時価総額は昨年、中国企業で初めて5千億ドル(約55兆円)に達した。

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 ベニー・ホー 香港生まれ。ハーバード大出身。コンサルティング会社勤務などを経て、現職はテンセントの海外担当部門「テンセント インターナショナル ビジネス グループ」のシニアディレクター。