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 和歌山県白浜町の海岸で昨年7月、水難事故を装って野田志帆さん(当時28)が殺害されたとされる事件で、事故死としては不自然なほどの多量の砂が志帆さんの体内から見つかっていたことが捜査関係者への取材でわかった。県警は殺人容疑で逮捕した夫の孝史容疑者(29)=大阪市天王寺区=が被害者の顔を浅瀬で沈め、殺害した疑いがあるとみて調べている。

 県警によると、孝史容疑者は昨年7月、同町の臨海浦海水浴場で、シュノーケリングをしていた志帆さんを溺れさせて殺害した疑いがある。志帆さんを海から引き揚げる孝史容疑者を海水浴場の監視員が見つけた。現場周囲には当時、他に人はいなかったという。

 捜査関係者によると、県警は志帆さんが浅瀬で顔を沈められ、もがいた際に巻き上がった砂を吸い込んだ可能性があるとみている。

 志帆さんは生前、夫の女性関係について周囲に相談し、2人は離婚に向けた協議をしていた。また、志帆さんには生命保険がかけられ、受取人は孝史容疑者だったが、保険金の支払い請求はしていないという。

 県警は昨年12月~今年3月、孝史容疑者が以前の勤め先から商品を盗むなどしたとして、窃盗などの疑いで4回逮捕していた。

妻の勤務先関係者「笑顔が絶えない人だった」

 関係者によると、亡くなった野田志帆さん(当時28)は、大阪府内のドッグカフェで働いていた。専門学校に通いながらアルバイトとして働き、卒業後に就職。事件当時は店長だった。経営者の女性(66)は「笑顔が絶えず、お客さんにも好かれていた。経営者として言葉にしたことをパッと実行してくれるので、頼りにしていた」と話した。

 店の従業員らによると、野田孝史容疑者と志帆さんは2015年11月に結婚。事件当時は別居していた。ドッグカフェ従業員の女性(23)は「旦那さんは気さくで話しやすい人だったので、驚いている」と話す。事件の1カ月半ほど前、志帆さんは周囲に「あまり食べられない」と話し、見るからにやせていったという。従業員の女性は「大丈夫ですかと声はかけたが、志帆さんが触れてほしくなさそうだったので、あまり触れなかった。事件を知り、ショックで言葉に表せない」と話した。