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 金沢市尾山町の尾山神社の境内で2本の菊桜が満開を迎えている。江戸後期に加賀前田家が京都御所から授かったとされ、兼六園にあった国の指定天然記念物「ケンロクエンキクザクラ」の子孫にあたる。大切に手入れする金沢市泉野町の池内信彦さん(72)の愛情を受け、今年も見事なピンクの花を咲かせた。

 1935年ごろ、積雪のために折れたケンロクエンキクザクラの枝が接ぎ木された。もとのケンロクエンキクザクラは枯死したが、接ぎ木されて育った木を32歳の時に友人から譲り受けたという池内さんは自分のブドウ畑で大きくした。

 「たくさんの人たちに見てほしい」と、四半世紀ほど過ぎた2003年2月に尾山神社に植樹した。今も週に1回、花が咲いてからも2日に1回は境内に足を運び、手入れを続けている。

 今年は例年より1週間ほど早く満開となった。開花が進むと花の色が、深紅、薄紅、白色に変わる。ソメイヨシノよりも長い間楽しめるという。

 池内さんは「愛情を込めて、手をかけて育てると一年に数週間、美しい花が咲く。多くの参拝者に見てもらえたらうれしい」と語った。(近藤幸子)